2、西方での反乱拡大
ども、よく嘘つきと他人に言われるカトユーです。昨日は投稿出来なかったね。
今回から少しずつ話を動かしていきます。
翌日、俺は参謀本部の面々と今後の動きを練っていた。彼らと話していると、想像以上に現皇帝への信頼の無さが窺える。誰もが現皇帝が引きずり下ろされることを是としていたのだ。
当面の動きとしては、海軍の維持、強化は後回しとし、陸軍の維持、強化が主眼とされた。
また、必要に応じて航空戦力の拡充も用意すべしというのも総員共通の意見であった。特に砲兵部隊は偵察機を熱望していた。取り急ぎ、友好国から譲り受けた数少ない旧式戦闘機を偵察任務に回すことにした。我々の軍で制空権を獲得するのは無理な話であったからだ。
陸軍も装備の充実を明文化したものの、生産に関しては具体的な数字も無く、かなり曖昧な表現となっていた。まあ、目標を設定したところで、実際に生産される量は微々たるものになるだろう。生産された兵器は殆ど全てを西方軍管区に回すことにした。まずは西方の安全を確保することが大事だからである。
そして、俺が練っていた策を部下に伝え、実行に移すことにした。
極東軍管区の部隊は駐屯部隊(1個連隊)を残して全て西方に移動するよう命じた。これで西方には新たに20個師団がやってくる。
また、クーデターについても本格的な検討に入った。取り敢えず意見の一致が見られたのは、現政体の維持、皇族の存続という点だった。別に我々は政治権力を求めている訳ではない。都合の良い駒さえ手に入ればそれで満足なのだ。
そんなこんなで3時間近くも話し込んでいると突如、ドアを破壊するかのように開けて入り込んできた者が居た。
「大変です!ヴォニア市で市民による蜂起が発生!ヴォニアの司令部は街を放棄し、撤退を始めています!!」
「「「は!?」」」
開いた口が塞がらない、とはこのような時のことを言うのだろう。
部屋に居た連中は黙り込んでしまった。
「……蜂起した連中はどれくらい居る?」
「3万人は下らないとのことです」
「チッ、ヴォニア方面にはどれくらいの兵力が居る?」
「初動対処を行えるのは北方軍管区の13個師団です。彼らは既にヴォニアに向けて移動を開始しています」
「解った。一度下がってくれ」
報告に来た者を帰すと部屋は沈黙に包まれた。
誰もが苛立っているようだった。
ヴォニアというのは元居た世界のレニングラード(サンクトペテルブルク)に当たる。海軍基地や工廠が存在し、戦略的にも重要な場所だ。帝都北方を管轄とする北方軍管区の司令部もこのヴォニアにあった。
「急いで指令を。極東軍管区から転用している兵力の半分をヴォニアに向かわせろ。戦闘序列は極東軍管区の連中に任せる旨も伝えろ」
「はいっ!」
指令を伝える為に数人が部屋から出ていった。
その後、俺は深呼吸してから口を開いた。
「……蜂起した連中は面倒くさい奴らだ。連中に甘い真似をするな、殲滅しろ。西方の反政府勢力もだ。完膚なきまでに意志を叩き潰し、一人残らず殺してしまえ。
俺は少し用事が出来た。俺は皇帝と外務省を回ってくる。ひとまずは君達に指揮を任せたい。事態が急変したらすぐに知らせろ。居場所が分からなかったら、皇帝と外務大臣宛に平文で送れ。」
「了解です」
「では解散」
そう言うと同時に俺は部屋を出て、まず外務省へと向かった……
主人公は所謂キレ性というやつです()
次回は週末に投稿する予定。既に書いてあります。
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ではまた次回にて。