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帝国の再興、とその先  作者: カトユー
2/4

1、気づいたら参謀総長になってた

 どうも、書く時は書けるカトユーです。数ヶ月ぶりに色んなことをやってる(夏休み終了間近)

 今回の大筋は主人公が帝国に転生した、の左だけです。それをここまで引き伸ばす必要性……

「よいしょ……、あれ?」


 居眠りから目が覚めると、俺は見知らぬ部屋に居た。

 机は大統領のデスクの様に豪華だし、部屋の装飾も王宮の様に豪華であった。

 机の上には大量の書類があり、どの書類にも「機密」、「軍機」といった赤や黒の判子が押されていた。

 不思議に思って書類を手にとっていくつか読んでみた。するとそこには「西部の反乱鎮圧に係る件について」、「西方解放地の治安維持(素案)」といった物騒な文字が並んでいた。

 これはおかしいと思い部屋の中を調べると、作戦計画概要等といった書類が大量に並んでいた。どの書類にも共通しているサインを見ると「パヴェル・アレンスキー」と書いてある。どうやらこれがこの身体の名前らしい。

 そしてパヴェル中将とやらは参謀総長らしい。かなり上の階級じゃないか。


 しばらく部屋を物色していると、コンコンとドアがノックされた。

 「入れ」と偉そうに言うと、「失礼します」と言って1人の人物が入ってきた。

 話を聞くと「西方が云々」と長ったらしい報告みたいなものを聞かされた。それに一生懸命ついていこうとするも、途中で聞き取ることすらも難しくなり、ああだのそうだなだの中身の無い返事をすることしか出来なかった。

 話に区切りがついたので、現状を知るためにも部下らしき人物に質問をした。


「ところで君。これから帝国はどうなっていくと考える?何が問題だと考える?」


 そう聞くとお喋りな目の前の人物はくどくどと自説を披露し始めた。


「まずですね。根本的な国力が足りてないんですよ。工場も労働者も工業機械も無い。だだっ広い国土に多くの人と原っぱを持ってるだけですよ。人はいくらでも準備出来るけど、装備は全く足りない。徴兵するより工業に人的資源を回した方がよっぽど合理的ですよ。

 おまけに貴族や皇族は自分のことばかりで、人の役には立たない。寧ろ存在しない方がずっと良い。この国の為にもなる。多少の有能な役人も地方で眠ってるようなこの国はダメ。

 幸いなのは、他国による干渉が無いことですかね。曲がりなりにも戦勝国として列強と仲良くやってる訳だし、軍備を解かれた敗戦国が復讐してくるのは10年以上先でしょう。

 我々は10年、20年先を見越して動かなければ周辺国に蹂躪される。最も内乱が無ければの話ですが。

 それと、我々参謀本部の面々はパヴェル参謀総長に強い期待を抱いています。参謀総長が強い意志を持って、そしてクーデター画策も辞さぬ覚悟で事に当たれば、必ず帝国は強くなると信じています。」


 鼻息が荒くなりながら目の前の人物は語った。所々で不穏な言葉があったが、この国は大丈夫なのか?


「なるほど。君の意見は分かった。しかし、皇族に対してそのような考えを持つのは如何なものか?」


と問うと、


「今の皇帝に対して、ほんの僅かでも期待を抱いている人物は居るのでしょうか?」


と返されてしまった。

 これには閉口した。現皇帝はどれだけ人望が無いんだよと驚くばかりである。

 寧ろここまで言われる人物が気になってきた。

 俺は用は済んだとばかりに目の前の奴を退室させた。



 この国オワコンでは?

 これが感想である。さっきの彼が言ったことは決して誇張ではなかった。

 軍需物資はもちろん、民需物資も慢性的に欠乏し、改善する目処は立っていない。穀物の供給も不安定で、国中で飢餓が発生している。比較的豊作と言われる年ですらこの有様である。もし凶作にでもなったら、あっという間にこの国は滅びるだろう。




 俺はこれからどうするべきか考えた。

 国外に逃亡するか?いや、無理だ。この職を離れるのは極めて難しい上に、ここを離れても行く当てが無い。

 ダラダラと参謀総長の職務をこなすのか?難しいだろう。放っておけば近い将来、この国は滅びる。内戦が起これば参謀本部は大忙しになるだろう。そして負ければ俺達はゲームオーバーだ。命の保証は無い。

 最終的に俺は積極的に動くことにした。さっきの血気盛んな部下が言っていたクーデター画策も辞さない覚悟である。調べれば皇太子は良くも悪くも人畜無害な人間らしい。彼を玉座に座らせれば、参謀本部の意のままに動かせる操り人形になるかもしれない。まずは皇太子に接触しよう。

 次は軍管区の整理だ。帝国は広大な領土を幾つかの軍管区に分けて管理している。そこで、まず不安定な西方の処理を優先し、最悪東方領土を捨ててでも西方の支配を盤石なものにする。帝国の乏しい工業地帯は領土の西方に偏っているのである。

 具体的には東方の師団を引き抜き、僅かな駐屯部隊だけを残す。そして引き抜いた師団を西方へ輸送し、反政府勢力を撃滅する。西方で武装し、帝国に対し攻撃を行う兵力は計10万人と見積もられている。それの対処に当たる帝国軍は25万人。帝国軍は倍以上の兵力だが、反政府勢力は地形を巧みに利用したゲリラ戦術で我々を苦しめている。今後は我々正規軍の優勢なる兵器を以て、多数の反政府勢力を根絶やしにする必要があるだろう。


 ちょうど明日は参謀本部全体の調整会がある。作戦計画立案の開始と軍の移動の手配を部下に頼んでおこう。

 ロシア帝国軍はイマイチ理解していないので見切り発車です。書けば何とかなるやろ(大抵何とかならないやつ)

 次回から物語を動かしていきます。難易度は精鋭兵。いきなりハードな展開にしたいですね。

 ちなみに次回は未定。


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他にもミリタリー物を書いています。

太平洋戦争~とある人間が変えていく歴史~ 陸軍篇

https://ncode.syosetu.com/n3042hf/


Twitterやってます @RVdX8yzugRufoNT


ではまた次回にて。んだば。

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