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虚像の胤   作者: 泥色餅
2/2

第2話

前回から約半年…。大変申し訳ないです。け、決して忘れてたわけではな、ないですよ。(主な文自体は投稿1ヶ月後には完成してました)

5つ鐘の刻(午後8時)

「イブの家」


夕食後に今日見たあの木について考えていた。普通の木のはずなのに、どこか引っかかるのだ。


「アダム、何考えてるの?」

お風呂から出てきたイブに声をかけられた。この村で生まれ育ったイブなら何かしっているだろうか。


「ねえ、今日見たあの木のこと知ってる?」

「いや、知ってるわけないじゃん。」


思い返す素振りもなく、即答だった。


予想通りの答えである。村長さんだって聞いた事がなく、今日初めて僕たちが見つけたのだ。



だけど、何故だろうかあの木に懐かしさを感じた。暖かい太陽のような懐かしさではなく、それとはまるで反対の冷たい()のような懐かしさ。



生まれるずっと前から知っていたような、。



ーーー


「アダム、なんか変だったな…」


湯に浸かりながら呟いた。


私の呟きは浴室内に響き、消えていった。窓の外からは虫の鳴く声が聞こえる。

森の奥に私を追いかけてきたアダムが、あの木を視界に捉えた途端、木に目が釘付けになっていた。話しかけても返事はなく、意識ここに在らずだった。


(もしかして、何か思い出したのかな?)


アダムはこの村の生まれでは無い。



ーあれは、いまから4年ほど前の冬のこと。


お父さんと私は薪割りをするために外に出た。前日の夜まで雪が降っており、外は一面の銀世界だった。

お父さんが薪を割っている。私はそばで見ているだけだ。もちろん途中で飽きてきた。


「お父さん、まだ終わらないの?」


「まだ始めたばかりだぞ?イブ。」


時間は思っていたよりのんびり屋だそうだ。

「えー。じゃあ、ちょっと遊んできていい?」


「いいぞ。あまり遠くへは行かないようにな。」


その言葉を聞き、待ち望んでいた私は子犬のようにはしゃぎ森の方へ走り出した。

村の門のあたりは足跡ひとつなく、ふかふかの雪が積もっているのが見えていたからだ。


近づいてみると、何だろうか。ボールぐらいの大きさの丸いもの埋まっている。

雪が薄く積もっており、色も雪によくにているので遠くからはあまり目立たなくなっていたようだ。


積もっている雪を払って表面を見た途端、私は驚き、後ろに倒れ込んだ。


ー出てきたものは、どう見ても人間だった。



それも私と同じぐらいの歳であろう男の子だ。薄着にマントという季節に見合わぬ格好をしている。


「え?う、うそ!だ、大丈夫ッ!?」


無意識のうちに手が雪を掘り始めていた。しかし、たった6歳の子供の手だ。もちろんどれだけ掘っても一向に見えている面積は変わらない。


(私の力だけじゃ、何も出来ない、、)

コンマ1秒にも満たない時間で、浮かんできた考えを実行にうつす。


大きく息を吸い込んだ。冬の朝の、肺が凍りつくような冷たい空気が流れ込んでくる。

「誰か!!ここに人が埋まってるの!たすけて!!」


私が取った行動は至って単純だ。ただ叫ぶ。少し離れたところにはお父さんがいる。それにもうすぐ2つ鐘の刻(午前8時)だ。とっくに起きている人も多くいるだろう。


予想通り、私の叫び声に気づいた人がシャベルや雪かきをもって、あつまってくれた。

男の子(アダム)さ直ぐに掘り出され、歳が近かったこともあり私の家で暮らすこととなった。そして今へ至る。


アダムには、私が雪の中で見つけた時以前の記憶がほとんどなく、覚えていたのは自分の名前と、そして『世界樹の実』という物語だけだった。

今話、現実に戻るタイミングを失いましたため、過去での終わりとなります。

作中にでてきた物語『世界樹の実』も、連載途中に挟む予定です。(こちらノープラン)

約1500文字と、短めの連載ですがこれからもよろしくおねがいいたします。m(_ _)m

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