夏
そして長い夏がきた。大阪の夏って地獄みたいだ。
最初は30℃越え。犬とはいえまだ若いんだからこれくらい慣れていた方がいいよと、エアコンはあまりつけてくれない。
わたしは冷たい床にお腹をくっつけて寝てばかり。退屈だな、暑くてもいいから散歩行きたいな、と思うけれど、いざ外に出ると、最初はいいけれどすぐ帰りたくなる。
あっぢい。息苦しい。肉球が熱い。喉がかわく。
それから35℃越えの日々。そうなるとさすがにエアコンをつけてくれる。そうなると快適で、じりじり殺す勢いの屋外に出る気にはならない。
退屈だとばかりも言っていられないし、わたしは日本の歴史のお勉強なんかして過ごした。
いろんなことがあったんだな。天皇、貴族、武士、一般人、歴史は勉強というか、面白い物語なんだな。いろんな登場人物がいて、いろんな出来事がある。
みんなにそれぞれに「同世代を生きた人々」がいて、その中で、与えられた100年くらいを、生きて死んでいくんだな。100年のうち、20年くらいで死んでいく人もいる。
100年生きた名もなき人と、20年生きた後世に名を残す人と、どっちがいいだろうとか考えた。
わたしはやっぱり100年生きるほうがいいな。後世に名を残すと言ったって、死んでしまったらもう登場シーンはないからな。
それではたと気がついた。わたし20年も生きたらむちゃくちゃ長寿と言われる犬だった。




