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第33話 赤い目

 白砂漠ビアンカサンズの街コアデザート。


 世界中に忘れられた小さな街。



 周囲には砂嵐が吹き荒れ、今にも砂漠に潰されてしまいそうな危うい場所に存在している。


 そんな街の地下に広大な研究開発施設が存在するなど、いったい誰が知るのだろう。



 この街に住居を持つ者ですら既知しているとは考えにくい。


 もしかしたら、あまりに立派な教会施設自体が地下への入口の目くらましとされているのかもしれない。



 そして――。


 偉大なる中枢演算処理装置ちゅうすうえんざんしょりそうち〈ニュークリアス〉は、この研究開発施設のさらに深い地下に鎮座していた。



 この事実を知る者はほんの一握りだ。


 都の住人も世界の要人達も皆、「女神は都の研究所に在る」と信じている。



 アリエスもインジバ博士に説明されなければ、今もそう信じていたに違いない。


 こんな辺境の地に在る装置が世界中に力を及ぼしているなど、到底誰も考えつかないのだから。



「アリエス、大丈夫ですか? 目が赤いですよ」



 インジバ博士の指示に従い要領よく潜り込んだアリエスとスウィンザは、施設内を巡回する小型ロボットを避けながら目的の部屋へと進んでいた。


 空中にはドローンが一定の間隔で飛んでいる。



「……だって」



 寝不足なのだから仕方がない。


 それにかなり泣いたので、瞼も少し腫れている。



 しかしAIエーアイであるスウィンザの方はそういった人間的な事情を汲んでくれるわけもなく。


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