柔らか修道女
凄まじい慟哭が周囲にこだまし、それが止む頃には、女戦士は我に返っていた。未だ胸に掴みかかろうとする右腕を左腕が押さえつけ震えている。
(やっべぇ……柔らかい。ってそうじゃない、何だこれ! やっぱりおっぱ
「驚いた、君、男だったのかい。」老人は片眼鏡をかけて女戦士をまじまじと見る。しかし、胸はたしかに膨らんでいる。それを確認した老人は更に神妙な顔で問い詰める。
「……済まない、女性だったか。いやはや、歳を取ると目がどうしても衰えるものだ。ところで、随分声が低くいらっしゃる。喉が心配だ。どれ、みせてみなさい。」老人は女戦士の顎を支えようと、手を伸ばした。すると、時が止まったかのように呆然としていた、刃物を握ったままの女が突然目つきを変え、何かを呟いた。
(え、何か言って……)女戦士と老人がその女を凝視する。修道服のらしき着物を身に付けていて、首には2つの首飾りが下がっていた。そのブロンドの髪がスルスルと衣服に擦れる音が聞こえるほどにあたりは静まり返っている。すると、女戦士を静かに微笑み返し、抱え上げた。
(嘘だろ?! 俺60キロはあるんだぞ! )
今度は老人が呆然としてただその修道女を見上げている。突然、その足元に魔法陣のようなものが描かれた。
(何だこの文字……何語なんだ? )
徐々に魔法陣は黒ずんでいき、修道女の足が地面に沈み込む。
(え? 嘘!? )
「あ、悪魔……! 」老人の瞳孔は開いたままである。瞬きをした刹那のうちに、女戦士と修道女の姿は見えなくなっていた。
勉強の息抜きに書いてたりします。