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『ボディバッグ狂い』・・・ボディバッグに入る物だけ入れて、街へ出る事

『ボディバッグ狂い』


  ・・・ボディバッグに入る物だけ入れて、街へ出る事



ボディバッグの大きさは様々だが、所謂リュックサックではないのだから、入る物の量は、一定の量以上は入らない。しかし、街へ出る時に必要な物は入れて行かなければいけないので、結果的に、入る物だけは入れ込んで出かけることになる。入れる物の基本主体は、必要になる物、であることは明白だが、例を述べるとすると、財布、携帯、お茶のペットボトル、バスカード、鍵、その他いろいろである。


様々なポケットというポケットに、それらを入れて、自分は家を出て動き出す。何かを思考すれば、当然の結果と言えるが、ボディバッグには、入る量だけは、上限一杯量まで入れている。必要物だらけになるが、必要だからだ。



ところで、街へでると、リュックサックと比べて、体への負担が少ない分、ボディバッグは物を一杯まで入れていても、体は軽い。軽いが故、快適に街を歩くことが出来る。程よいその重さは、街を軽快に歩けることで、歩数も伸びるし、健康にも良い感じで時間を過ごすことができる。


難しいことなど何もないのだ、ただ、ボディバッグが家にあるだけで、軽快に家を出れることが、この上なく日常を快適にできる。何度も言うようだが、ボディバッグに入る物だけ入れて、街へ出る事は、何もかもが、自分には適しているのである。


しかしどうだろう、もしも自分が一つもボディバッグを持っていなかったとしたら。自分は狂い始めるだろう。リュックサックを前に背負うと重いので、街を歩く時に中身を取り出すことなど出来るはずがない、いや、仮に出来たとしても、面倒になるのは確定するだろう。



ボディバッグがあればこそ、体の前に持ってきて、街を歩きながら、物を取り出すことが出来るのであって、それはボディバッグであるが故の、有難さなのである。また、あの体にしっくりと来るボディバッグの馴染み方は、他のバッグにはない、独特の馴染み方である。例えば、昔、どこかの国で戦士が剣を背負う時などは、ボディバッグ的な体への掛け方をしていたのではなかろうか。何かに戦う時、心が落ち着く、あの体への馴染み方は尋常ではない。それ故、古代への想像などが始まるのだ、何かへの挑戦、何かへの戦い。そんな思いを巡らせながら、自分はボディバッグを背負って街へ出る。


結局のところ、言いたいのは、あの体への馴染み方においても、自分はボディバッグに狂っているということだろう。意識せずに狂っている。狂う気などないのに狂っている。それはもう、部屋に所狭しと置かれたボディバッグによって、その部屋自体が狂っているという点で、家という住処から、自分は戦いに出掛けるかの様に、入るだけ物を入れたボディバッグを背負って、街へと出掛けて行くのである。

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