人数を集めよう③
(あれ? アイリどこ行った?)
ブロンド髪の少女と別れて(?)から新たな女生徒に出会ったのは数分後の事だった。
「おーい早苗-! 野球始めるってマジー?!」
見覚えのあるサイドテールの少女が手を振っている。本人は気に入っているようだが頭の横に着けた紫色の髪止めが妙に毒々しく見える。
(ブドウが頭に実ってるなぁ……)
などと下らない事を考えていると目の前の女生徒、有理が私の目を覗き込みながら話しかけてくる。
「咲に聞いたんだけど野球やるってマジなの?」
(近い、近いよ!)
接触まで距離10cm! かわいらしい顔が近づいてくる。有理の顔はとても小さくそして目が大きい。同姓の私から見てもかわいらしい容姿に私はタジタジだった。
「有理、顔が近い。息が当たるよぉ。恥ずかしいよぉ」
私は情けない声を出しながら目の前の友人に抗議をした。
「えっ? このくらい普通じゃ無いの?」
(普通じゃありません~)
有理はシブシブといった感じで私から離れていく。私は先ほどの質問に答えるべく現状を話始めた。
「咲は野球が出来る場所を探してて私は人を集めてる最中なんだよね」
「そっかあ」
うんうんと頷く有理。私はそれを見ながら
(この娘何の仕草をしてもかわいいなあ)
などと考えていた。