人数を集めよう②
目の前の綺麗なブロンドの髪に見とれる私。
「あのぉ……アイリの髪何か変でしょうか?」
(何故だ! 私の髪は真っ黒でしかも癖ッ毛。なのに目の前のこの綺麗な髪! 私と彼女、何が違うと言うのか? はっ……! 私が純日本人なのがいけないのか? 私の髪が癖ッ毛でゴワゴワなのは両親が日本人なのが原因なのか?! 不条理だぁ……)
「うぅ……目が血走っていて怖いですぅ」
(くそぉ! 憎い、ハーフが憎い! ハーフに産まれたら私もブロンドの綺麗な髪だったのかなあ。サラサラヘアー欲しいなあ)
「あのぉ……大丈夫ですか?」
(大丈夫かだと? 大丈夫な訳あるか! 君のサラサラヘアーには分からないだろうが私の髪はもうダメなんだよ! ヒャッハー! 私の髪は世紀末じゃあ!!!)
「アイリ……行ってもいいでしょうか?」
(行く? 一体どこに行くと言うんだ? ハッ! 綺麗な髪をお持ちのご令嬢は言うことが違うねえ)
「では……失礼しま……」
消え入りそうな小さな言葉を残し綺麗な髪をした少女は立ち去っていく。
この場に残されたのは黒髪の毛先がちょっと跳ねたブツブツと呪いの言葉を放つ華奢な少女だけだった。