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良心の天秤

電磁嵐は大量のアンドロイドの移動に伴う災害である.アンドロイドは簡単に言えば,電気を帯びた金属の棒である.その電気棒が数百万数千万単位で一斉に移動することで,強大な電磁波の流れを形成する.それが電磁嵐である.目に見えないそれは,巻き込まれた人間に強烈な目まいと熱的作用をお見舞いする.例えば人間は体温が数度上がるだけで,身体に影響が現れる.まぁ,死人はそうでないらしいが,誰でも電子レンジに詰め込まれた猫と同じ末路をたどりたくないだろう.また気温の上昇を促し,雨や雷を引き起こすこともしばしばだ.それと,この街の住人には電磁嵐を恐れるもっと深刻な理由があるのだが,ここでは省略しよう.なにせ,僕とは無縁の話だからだ.

さて,そんな電磁嵐が発生するならば,わざわざ外食するような物好きはそういない.

となれば,午後一杯に空白の期間が生まれてしまう.ただ暇だからと言って店長が解放してくれたことはないから,適当に時間を潰すことになるだろう.

僕は窓の外をぼうっと眺めた.暗い灰色の雲が広がっていくのが見える.

白衣のアンドロイドはその場で蹲ったままだった.電磁嵐がきたら,やつはどうなるのだろう.少しだけ考えてから,首を振った.


一日一回投稿

三度目の正直という諺は確率的に高いからかもしれない

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