シーン8
―バキィ!
―ドカッ、ドスッ!!
「―ぐぁあ!」
「なんだ、結構強いじゃねーか屋代。」
「ふぅー。まぁ、雑魚だからな。」
「お前ら、すまなかったな…。」
「…なぁ熊上。何で学校辞めんのか教えてくれねーか?」
「…笑うなよ?」
「あぁ。」
「…実は、今付き合ってる女がいてな。鑑別所出て、会いに行ったら『もう、喧嘩はするな』って言われて…。学校にいたら、絶対喧嘩しちまうし…あんな高校出ても就職先なんてあるわけじゃないし…。だから、学校辞めて働こうって。」
「…まぁ、そんな理由じゃこいつらも納得はしねーか。」
「・・・・・・。」
「…なぁ、熊上。学校には来いよ。まだまだ青春を謳歌しようぜ!お前の彼女も学校辞める事までは望んじゃいねーよ。…お前に喧嘩はさせねぇ。約束する。一緒に青校卒業してやろうぜ!な!?」
「…へっ、お前バカだな…。はは、ははは。」
「なんだよ!お前が笑うなよ!!」
「ははは、神谷くさいよ!ははは!」
「な、屋代まで!!!」
―そこには、少しだけ笑い声が響いた。
そして次の日、A組には熊上がもどり、新井、松井がまとめ約に起用された。
この事にA組はざわめいたが、熊上の威圧感によりみんな納得の表情を浮かべた。
そして、赤学の城崎にもその日の内に伝わり、青校と赤学の同盟は完全なるものとなった。
―そして、残りは黄山だけとなった。
その黄山も青校の情報を聞きつけていた。
後に、この3つのぶつかり合いは大きな事件になる―。
そして、その時はすぐそこまで近づいていた。
「屋代!打てるもんなら打ってみろ!」
「神谷!お前のへなちょこボールは見切った!!」
「何おぅ!!!」
ビュッ―。―カキーン!
「な゛っ!」
「ダメだ神谷!おれが投げる!!どけ!!!」
「あ、てめー熊上!!」
「行くぞ屋代!」
「何だ、どっちにしろへなちょこボールじゃねーか。」
「何おぅ!」
ビュッ―。―カキン!
「ははは、何だ熊上。お前も打たれてんじゃねーか!」
「ふっ、神谷。お前の方が良い当たりされてたけどな!」
「何だと!!?」
「あ゛ぁん!!?」
「…喧嘩しねーんじゃなかったのかよ。」
―そして、残りは黄山だけとなった。
その黄山も、青校の動きを知らない訳ではなかった。
後に、この3つのぶつかり合いは大きな事件になる―。
しかも、その時は刻一刻と近づいていた。
しかし、神谷はそのことを今はまだ知る由もなかった。