シーン5
ドスッ!!
バキッ!
ゴッ!!!
ガンッ!!!!
2人の激しい殴り合いに、周りの赤学の生徒達は圧倒されて声を上げることもままならなかった。
「城崎ぃぃぃ!てめーは絶対許さねー!!!」
「上等だ!!ぶっ殺しやるよザコが!!!」
―バキィッ!!
凄まじい音が響いた。
同時に2人の動きが止まった。
ドサッ―。
倒れたのは、神谷の方だった。
「はぁはぁ、なぁ城崎。…そんなに強ぇんだったら集団リンチなんかしなくても、うちのやつ一人くらい余裕で倒せたたろーが!!…はぁはぁ。…おれは、そんな卑怯なやつに負けた自分が、情けねぇ。」
ドサッ―。
次は城崎が倒れた。
すると、屋代が神谷に近づいてきた。
「神谷…お前の勝ちだ。」
「あっ!?何言って…。」
「城崎のヤツ気失ってるよ。」
「へっ、すっきりしねぇな。ちくしょう。」
「その割に笑ってんじゃねーか。ははっ。」
すると、赤学の集団の中からまた一人、男がでてきた。
「おい、青校。お前確か集団リンチっつってたな。」
「ちっ、なんだコラ!この城崎が昨日、ウチの新井をタイマンはるって呼び出して集団リンチしたから、こうやっておとしまえつけに来てんだろうか。」
「けが人はだまってろ。おれは青校の屋代だお前は?」
「赤学の2番目、真下だ。そいつの言ってる事が正しいってんなら、城崎は関係ないぞ。」
「!!?」
「昨日、城崎は隣県に行ってて帰ってきてなかったからな。」
「じゃあ、誰が!!」
「たぶん、うち(赤学)のやつには間違いないだろう。こっちで調べとく。」
「…じゃあ、おれら悪い事したな。」
「いや、城崎もここ最近退屈だっていってたし。ちょうど良かったんじゃねぇかな。おれらにとっちゃ良いもん見れたし。」
「…バーカ、おれたちはハブVSマングースかってんだ。」
「とりあえず今日は帰れよ。今度はおれたちが青学にお邪魔する。」
「わかった。すまなかったな、真下。…ホレ帰るぞ、神谷。」
「いてててて…。」
たった2人の青高の赤学襲撃はその日のウチに町に伝わった。
神谷達はその後、新井を見舞うために病院に行った。
そこで、城崎はその場にはいなかったことを知らされる。
そして、新井に
「神谷の方が入院した方がいいんじゃねーか?」といじられた。
その時、新井は自分がしたことを謝り、
「ありがとう」と告げた。
次の日、数人を除いたB組が神谷の下についた。
そして、城崎と真下が青校に訪問し、新井の件は、赤学の2年がやったことを報告。
その2年には新井に謝罪させた。
後、赤学は青校の傘下に入る事を告げた。
神谷の高校制覇が大きく近づき、町を絞めるという目標に1歩踏み出した形となった。