表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/8

シーン3

―ガラッ。

『おはようございます!!』


 朝っぱらから男共のムサい声が響く。

「うわ!なんだ、お前ら暑苦しいな!」

「自分ら、神谷さんの強さに惚れました!これから3‐Aをよろしくお願いします!」

(まさか初日からこんなにうまくいくとはな…。)

「おー、とりあえず堅苦しいのはやめにしようや。…で、おれは3‐Aのトップじゃねぇ。青校のトップだ。んで、いずれはこの町のトップに立つ!!」「…神谷さん、それはいくらなんでも…。」

「え?何で??」

「おれが説明するよ。」

「おぅ、お前は…屋代だっけ?」

「あぁ。まず、この学校のトップは3‐Bの熊上だ。そいつを倒さねー限り青校のトップは無理だな。そして、この町には敵対する高校が2つ黄山高校と赤木学園。この3つの高校をまとめたやつなんて聞いたことがねぇ。つまり、勢力はみんな互角なんだ。」「ふーん。じゃとりあえず3‐Bの熊上っつーやつをぶっ飛ばしゃいいんだな?」

「それができればな…。」

「…なんでできねぇんだよ?」

「熊上は今、暴力事件で鑑別所入ってんだ。東館のガラスだけ妙に割れてるだろ??熊上がいなくなってまとまらずに暴れまくってんだよ。」

「でも何でうちのクラスはガラスとかきれいなんだ?」

「A組とB組は派閥違いなんだよ。A組はB組に関わろうとはしねぇし、B組のやつもバカじゃねぇ。トップがいなくなった今、A組に攻め込んで来るやつはいねぇんだよ。」

「ふーん、じゃおれが昨日みたいに一人一人ボコボコに倒しゃいい…。」

「アホ!それじゃお前の体が持たねー。今日だって拳握るのも辛いはずだ。」

「…む、むぅ。」

「とりあえず今は熊上が帰ってくるのを待つ!お前の拳も休めとけ。」

「屋代…お前、案外いろいろ考えてんだな。」

「…おれだってお前の強さには惚れてんだ。トップになるんだったら協力くらいさせろ…。」

「あぁ、頼んだ!」

 神谷は満面の笑みで返した。

すると屋代を含め、クラス全員が笑みを浮かべた。

神谷は、その瞬間3‐Bの仲間に惚れた。




―数日後。「大変だ!」

A組の一人が教室に飛んで入ってきた。

「どうした?そんなに慌てて。」

「赤木学園の奴らが攻めてきた!!」

「はぁ!?どういうことだ!!?」

「何か昨日、B組のやつらが町で赤学のやつらをボコボコにしたらしくて。『熊上か屋代連れてこい』って叫んでるんだよ!!」

「どーする屋代!?」

「くそっ、熊上がいねーからってむやみに暴れやがって…。おれ一人で行く。神谷達は来なくていい。」

「でも…おれたちも行くよな!?神谷!」


「…屋代。」


「…大丈夫だ。」


「…わかった。待ってるよ。」


―ガラッ

そういうと屋代は教室を出て行った。


 教室にはしばらく沈黙が流れた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ