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異世界という名前の世界はない  作者: 古池ゲコ
2/2

起きがけに見る景色は、できれば異世界じゃない方がいい

目覚めた時、俺は見知らぬ森にいた

見知った森もそうは無いが、ここは明らかに知らないと言える

それどころか目の前に生えている花や足元を這っている生き物、木の上から俺を見下ろす鳥も、どれもこれも知らない

もしここが地図や図鑑にも載っていない未開の地で無いとするなら、「異世界」という安直な言葉以外で腑に落ちるものは無い


立ち上がり、少し歩いてみる

人の気配はしない

喉が渇いた

水辺を探そう


10分ほど歩いただろうか、水の音が聞こえる

近づいていくと、小さな川が見えた

少し早足で近寄って行き、迷わず水を飲んだ


今考えると少しくらい用心するべきだったかもしれない


喉を潤しスッキリしたところで再び歩き始める

少し登っている感じだが、気にならないほど緩やかな傾斜だ

20分ほどだろうか、歩いていると森の出口が見えてきた

木々の影を抜けるとそこには知らない景色が広がっていた

今断言しよう、ここは異世界だ

なぜなら目線を60度ほど上に向けた先、雲の下を巨大な何かが飛んでいる、羽ばたいている

実物を見たことは無いが、あの生き物の名前は知っている

そう、ドラゴンだ


再び目線を下げて眼下に広がる平地に目を向けてみる

手前に綺麗な平原がある、そしてその先にはまた大きな森が見える

そしてその奥、遠すぎてまとみに見えないが街のようなものが見える

おそらく人工物だ、街と考えるのが自然だろう

というかそうであってくれ


この距離を歩くのは、考えるだけでも気が滅入ってくる

それを実際歩くというのだからきっと更に滅入ることだろう

しかし歩かない訳にはいかない

俺はゆっくりと丘を下り始めた


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