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第6話 やはり年上で2桁越えは厳しい

そろそろ、新しいキャラを出さないとネタが広がりません

そうしてまともな服装になり、衆目に晒されることなく俺は街を闊歩する。うん、誰の目にも止まらない。俺は今完全に街のモブとして、この街に溶け込んでいる。うーん、でもちょっと寂しいなぁ。見られる事に慣れてしまったせいか、今の状態は、望ましいのに望ましくない。やはり見て貰うには、何か一発芸でも披露すべきか?くっ、俺は万能型ではあるが、単体戦には不向きである。ひな壇あってこその司会なのである。やはりアメ○ークよろしく、○○芸人の存在が欲しい。それをいじってこそ、俺の本来の輝きを取り戻せるのである。


「ねえ、ユウト。宿屋はこっちであっているんだよね?」


「んっ?宿屋が大好き芸人の特集じゃあ、視聴率は稼げないぞ?」


そしてうむを言わさず、耳を引っ張られる。痛い、痛いから。真面目にやります。やりますから。


「で、今はどこに向かっているの?」


「へい、姐さんの言われるように、宿屋へ向かってやす。」


「何分後に着くのかしら?着かなかったら、わかっているんだろうね?」


ここで俺は震え上がると同時に、僅かな高揚感を感じる。姐さんのお仕置きに思いをはせて…ビヨーンッ、痛い、痛い。おかーさん、お姉ちゃんがいじめるー。


「ユウト、なんか顔が卑猥よ。別にお仕置きとかしないから」


「イエッサー、では全力で向かうであります」


お仕置きがないのを残念に?思いつつ、俺は宿屋に猛ダッシュした。ちなみに耳たぶ引っ張りは、お仕置きではないらしい。


そんなこんなで俺たちは宿屋に着く。カウンター越しにいる人妻風のお姉さんが、受付から声をかけてくる。


「いらっしゃい、お客様は、泊まりかい?それとも食事かい?」


「泊まりで頼む。とりあえず、一泊分で」


「あいよ。一泊だと前金で80Gだよ。プラス10Gで夕食、さらに10Gで朝食をつけられるけど、どうする?」


「夕食は外で済ますから、朝食だけ頼む。はい、お金だ」


「毎度、2階の奥の部屋が空いているから、そこを使いな。貴重品管理は自己責任でお願いね」


そう言われて、鍵を受け取ると部屋へと向かう。


「あら、ユウト。今回は随分と素直に引きさがったじゃない?」


「当然だろう。人妻に興味はない訳ではないが、奥にガチムチのおっさんが見えたからな。口説いた後の事を考えたら、当然の選択だろう」


俺は部屋に行くと、その日会話した女性を思いだす。もし例の七人のうちの一人に会ったとしたら、現時点で候補は三名。ギルドのお姉さんもといおばさん、服屋のお姉さん、宿屋の人妻。彼女達の中に転生者がいるのだろうか?いや、待て、そもそもこの転生者達だが、おばさんや人妻は候補者に含めていいものだろうか?考えてみよう。おばさんを幸せにする自信はあるが、俺が幸せになる自信がない。人妻に至っては殺される危険性まである。人妻とは甘美な響きではあるが、それだけに、リスクも高い。「おっ奥さんっ」これは男ならば、誰もが言ってみたいセリフである。「旦那よりもいいだろっ」これも憧れるものがあるだろう。でも、ばれたが最後、どうやら簡単に人が死ぬこの世界では、あっさりご臨終である。


「フィーネ、転生者は年配者や人妻は含まれるのか?」


「含めて欲しいなら、女神に言ってあげない事も無いけど、あんたそう言う性癖?」


「待て、俺に寝取り願望は無い。又、熟女趣味もないぞ。人をウ○鈴木のように言うな」


「意外にあんた、守備範囲は広そうだけど。まぁ、転生者はあんたの歳に近い人が多いと思うわ。今日だったら服屋のお姉さんくらいじゃないかしら?候補に挙がる年齢は」


良かった、これですごい年上の奥さんは回避された。さすがに、彼女いない歴19年で初めて付き合った女性が19歳年上とか、シャレにならんからな。せめて5本の指の範囲に抑えたい。んっ、下だと14歳か?いかん、それはそれでロリ認定されてしまう。


「この世界には青少年保護条例は存在するか?」


「一応、成人は15歳だから対象者はこの世界の成人女性になっているわ。でも元の世界に戻ったら、歳の差はそのままだから、条例には気をつけなさい」


くっ、これは巧妙な罠か。15歳だと女子中○生もあり得る。どんなに美少女でも、さすがにそれは犯罪だ。少なくても女子高○生にはなっていて欲しい。あっでもそれでも引っかかる。くっ、それだとコンビを解消しなければいけなくなる。


「油断してると俺は、出家をしなければいけなくなるわけだな」


「あんたがそっちを選んでくれて、ほっとしているわ。同じ朝の番組でも後者なら問題なしよ」


流石に俺もTPOはわきまえている。おっとこれ以上の想像は本当に生死にかかわる。やめておこう。


「まあ、今のところ仮に対象者が出てきても、一人に絞れるわけだな。取りあえず、飯に行くか」


「まあこの後ユウトが行くところ次第だけどね。あまり大勢の女性に会うようなところだと対象が絞りきれなくなるから、ほどほどになさいよ」


「安心しろ、そんなピンクなところはまだ未チェックだ。お金を払ってお姉さんとキャッキャウフフな事などする気はないぞ。ただそう言うお姉さんと偶然出会って、そう関係にはなるのはありだがな。むしろお願いしたい」


「うーん、発想が童○ね。それならあのまま服屋のお姉さん口説き落とせばよかったじゃない。色々教えてくれるかもよ」


「んっ、あれは社交辞令だろう。そんなんに騙される程、馬鹿じゃないぞ。ラッキースケベもなかったし」


「あんたのその基準が意味不明だけど。まあいいわ、ご飯に行きましょ」


恋愛においてラッキースケベは必須項目じゃないか。結城○トなんかラッキースケベの度に自分に惚れる女が増えるんだぞ。なんて羨ましいんだ。転んだひょうしにスカートの中に顔を突っ込むなど、神か、神なのか。


俺はそんな事を考えつつ、夕食を食べる為に夜の町に繰り出した。ちなみに行った店はおっさん集まる居酒屋で、店員のお姉さんはギルドのお姉さん級の年齢で、俺は王子様モードを駆使しておかずを一品追加してもらう事に成功した。ちなみにその日、転生者の該当者はいなかったようで、?マークの表示点滅は無かった。服屋のお姉さんは該当ではなかったらしい。別に、期待なんかしてなかったもん。ちょっと明日寄ってみようかなんて、思っていなかったもん。


その次の日、俺はとりあえず、冒険者ギルドに行き、冒険者のクエスト依頼を眺め見ている。現在の所持金が90Gで、今日一泊分の金しかないからだ。世知辛い、世知辛すぎる世の中である。金がなければ、生きていけない。日雇いでもバイトをしなければいけないのだ。取りあえず、狩ったらお金がもらえる系の依頼をいくつか受けて、俺は町に出る。ちなみに昨日もその前も魔力を使い切り爆睡しているので、魔力自体は微増中である。


「できれれば、少し効率良く稼ぎたくないか?一日仕事で100G程度の稼ぎだと、俺はその日暮らしで七人を見つける事が出来ないぞ」


「そうね。そうは言ってもスペック低いからね。もう少しスペックが上がらないとどうしようもないけど」


クッ、スペック低い言うな。まあいまだ武器すら持っていないからしょうがないと言えば、しょうがないが。必殺仕○人みたく、手もちの箸で相手を一突きの暗殺術でも極めるか?そしたら小判一枚でやりやしょう。パラパー、パラパパラパラ、パラパーッ。ドンドコドンドコドンドコ…


「ユウト、あんた箸を握りしめて、何やってんの?」


「俺は中村○水タイプではないからな。村上か三田村の色男枠だ」


「あんたが殺るのは魔物であって、恨まれている人ではないのだけど」


「どっか小さい祠に小判とかおいてないか?」


「残念ながら、この世界の通貨はゴールド=Gよ」


仕方がないので、魔物を探す。魔物どこー?もうこうなれば、界○拳にものを言わせて、殺りまくるしかない。そんな俺の願いが通じたのか、ゴブリンが集団で現れる。


「あら、ユウト。ゴブリンの集団が現れたわよ。ボブゴブリンもいるじゃない。あれ全部やれたら、500Gは固いわよ」


相手は10体ほどの集団だ。まだこちらには気付いていない。数が多いので、俺も多少慎重にやる必要がある。まずは投げるもの、投げるもの。この間は人数分しか球を用意しなかったから、外れた時に焦った。しかも今回10体だしなぁ。雪合戦のように球をたくさん用意する必要がある。その後、20個くらいの石を見つけ、準備ができたところで、フィーネが話かけてくる。


「投石は有効だけど、地味よね。なんかもっと派手な方法ないの?」


クッ、痛いところを。遠距離から攻撃できる手段は今の俺にはこれしかない。せめてカメ○メ破なり、魔○光殺砲なりが使えれば。ん、あそこに事がっているやつを使えば、あれっぽいのができるじゃないか?ちょっと投げ方違うけど、まあ、そこは大目に見よう。


「フフフッ、フィーネ、プラン変更だ。これぞ、亀○流奥義を見せてやる」


俺はそう言うとそこらに落ちていた、直径1Mほどの平べったい石を拾い上げ、フリスビーよろしく投げつける。


「○円斬」


投げつけた石はボブゴブリンとその隣のゴブリンに直撃。うーん、上手く首ちょんぱとはならなかったか。上手くいかない。仕方がないので、再び、大○翔平モードとなり、夢の160キロを投げつける。結局、2体ほど逃げられたが、ボブゴブリン含めて8体の魔物を撃破する。ちなみに界○拳は腕と肩の2か所で、魔力20消費でやり過ごせた。


「さすがにぶっつけで○円斬は、あまり上手くいかなかったか」


「うーん。確かにそろそろ武器を買った方がいいかもしれない。そろそろ、技のレパートリーもネタ切れでしょ」


そうなのだ。武器があれば、ソードスキル発動とか小ネタが増えるのだが、体術オンリーだと、気功系の飛び道具でもない限り、中々技が増えない。酔拳とかカンフー系にいくか?そんな事を考えながら。俺は魔石の回収していると、ボブゴブリンの手に大きな斧が握られているのに気付く。おおー、謀らずも武器ゲット。その後、俺はその大斧を使った新ネタの開発にいそしむのだった。


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元々連載している作品です。こちらは真面目にファンタジー。 亡国の公子と金と銀の姫君
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