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第5話 やはりモテたら恐怖です

相変わらず自由なユウトですが、少しずつその才能が表に出てきます。ちなみに無双は無双でも恋愛面限定です。

今俺はマップで見つけた町に来ている。ちなみに魔物はゴブリンの後、もう一体倒した。ネバネバ、ドロドロのスライムだ。フィーネに火を出してもらい、薪になる枝が燃えたところで投げつけたら、あっさり死んでしまった。つまらん。どうせならフィーネが絡みつかれて、服がドロドロに溶け出して的な奴が欲しかった。ちなみに今回の奴はそういう性能は無いらしい。つまらん。あっフィーネが睨んでる。心の声が漏れていたらしい。許せ、男とはそういうものだ。


「ところでこの魔石、どこに持っていったら売れるんだ」


「ユウト、あんだけ卑猥な事を考えておいて、よく平然と質問が言えるわね」


「許せ。それもこれもフィーネがかわいいからだ。あと、ファンタジーならあるだろう、そういうの」


「あんたのそのファンタジー感間違ってるわ。そもそもポロシャツ、ジーパンの時点でファンタジー感ゼロよ」


うん、そのご指摘ごもっとも。普通に町を歩いているだけで、変な目で見られる。あんまり見られ続けると変なものに目覚めそうだ。ちがうぞ、おれにそんな趣味は無い。やめて、目で犯さないでー。はっそうか。見せつけてやればいいんだ。いや、待て。早まるな。そんなに人に自慢できるものなのか?修学旅行で堂々とタオルを肩にかけて、お風呂に入れるほどなのか?くっ、俺はタオルを腰に巻く派だ。断じて、自信がないわけではない。


「はい、その辺で止めなさい。大体なんでベルトに手をかけて固まってるの?どう脱線したらそうなるの?」


「いや、俺にも分からん。それより服を買おう。見られてると違うものに目覚めそうだ」


「まずは魔石を売りなさい。先立つものが必要よ。冒険者ギルドで買い取りしてくれるわ。マップで多分探せるはずよ」


俺はマップで縮尺を拡大すると町の建物の上に文字が書いてあるのが見える。おっ、日本語に変換されてる。フムフム、冒険者ギルドは何処だ?おお、優秀だな。お店の情報まで乗っている。お、ここは居酒屋か?本日のおすすめは、ビックホーンの串焼き。やばい腹が減ってきた。お、ここは料理の画像まであるぞ。これで評価がついていたら食べ○グだな。ってあるよ評価点。3.7、意外に優秀じゃないか。今日の晩飯はここだな。ピン止め、ピン止め。


ガツンッ


思いっきりフィーネに顎を蹴り上げられた。痛い。


「あんたまた脱線してるでしょ。さっさと冒険者ギルドを探しなさいっ」


最近、フィーネの沸点が低いな。アノ日かしら。ぐいーん、止めて、耳引っ張らないで。


「見つけた。ここからまっすぐ道なりの左手だ。行くぞ、フィーネ」


改心した俺は一目散にギルドを目指す。だから、耳をつかまないで。地味に痛いから。冒険者ギルドには程なくつき、まっすぐ受付嬢に話かける。


「綺麗なお姉さん、魔石はここで売れますか」


「あらやだ、綺麗なお姉さんだなんて、お上手。魔石はここで売れるわよ。持ってるの?」


バラバラバラッ


「これを売りたい。お姉さんには敵わないが、そこそこ綺麗だろう」


「ん~、ビックボアとゴブリンにスライムかい。そうだね、全部でまとめて、200Gでどうだい」


「もう一声、そしたらお姉さんをひいきにするよ」


俺はお姉さんの手を握って、微笑んでみる。ちなみに俺が褒め殺しているのは50くらいのおばさんだ。でもこの俺のマダムキラーにかかれば、ひとたまりもあるまい。


「フフフッ、良い気分にさせてくれたから、少しだけ色を付けてあげるわ。250Gでどうだい。これ以上は無理よ」


おばさんは少し顔を赤らめて、色を付けてくれる。


「ありがとう、お姉さん、大好きだ」


「フフフッ、こちらこそありがとう。久しぶりに若返った気分だわ」


俺は250Gを受け取るとストレージにしまう。これで所持金350Gだぜ、イエイッ。冒険者ギルドを出たところで、フィーネが話かけてくる。


「あんたあのたらしテクニックは何?あのおばさん、顔まで赤らめちゃって」


ん?何のことだ。俺は別に値上げ交渉をしただけなんだが?


「よく分からんが、あれは社交辞令だろう。女性であれば、褒められて喜ばない奴はいない。あっでも残念微乳はMだから、そうでもないのか?まぁ、喜んでくれたら交渉はしやすくなるからな。なら褒めなきゃ損だろ」


「そんなところでさりげなく女神をディスるのね。でも確かに喜びそう。じゃない、言ってる事はあってるけど、あんたにテレは無いの?」


「テレてどうする。テレさせる方が楽しいだろう。男がテレてかわいいのは、男の娘だけだ。戸塚○加くらいだぞ、ん、あれは男設定か」


「ラノベの登場人物を出すのは止めなさい。わかる人少ないでしょ。」


「まあでもそんな感じだ。誰でも使うだろう、王子様モード」


「使うかっ。ただユウトが氷川○よしになれる素質があるのは、わかったわ」


ずん、ずん、ず○ずんどこ、ユウトっ


んっ、なかなかいいな、これ。俺は右手で拳を握りながら、その気になる。びよーんっ、痛い、痛いからっ。


「ほらまた注目の的よ。さっさと服屋行って、宿を取るわよ」


おお、そうだ。へんなものに目覚める前に、服を探さなきゃ。俺はマップで服屋を見つけつけると、すぐさまそこへ急行する。だからその耳を掴むのやめてっ。俺の耳たぶが福耳になっちゃうっ。


ここの服屋は男性もの、女性もの、子供ものなんでもござれのユ○クロ見たいなところだった。確かにポロシャツ、ジーパンの様なラフなものは無く、厚手でかっちりしたものが多い。


「なあフィーネ、この辺は暑いのか?寒いのか?季節はあるのか?」


「今は春でこれから暑くなるわ。秋も冬もあるから、元の世界と似たような感じじゃないかしら?ああ、冬には雪も降るわよ」


「フムフム、なら、今買うなら薄手のモノがいいか?ワイシャツとこのスラックス見たいなズボン」


「いいんじゃないかしら。あと足元はブーツが良いわよ。あんた一応、魔物退治もしなければいけないから」


「そうだ。鎧が必要じゃないか?でないとファンタジー感が出ない」


「ユウト、今更ファンタジー感求めるの?あんたファンタジーらしい戦い方できないでしょう」


「まて、それは誤解だ。出来ないではなく、やってないだけだ。ただうちの一門は武器は使わない体術専門だがな。ああ、魔法じゃないが、魔法っぽいものを使うぞ、カ○ハメ波」


「あんた、その一門じゃにないでしょ。それに界○拳一択だし」


「ぐっ、使いたかった魔○光殺砲。あの眉間に貯める感じが好き」


「そもそも一門外れているじゃない。ほらちゃっちゃと買ってきなさい」


フィーネに促されて、俺はしぶしぶワイシャツ、スラックス、ブーツを買いに行く。今度の店の店員さんは、冒険者ギルドとは違い若い。ただイケイケなカリスマ店員的な女性ではなく、ここはユニクロ。さっぱりとした、爽やかさが売りの女性だった。俺のスカウターの見立てでは推定B。美乳だな。俄然、モチベーションが上がる。俺は見た目で人を判断はしない。でもいいに越したことはないのだ。そうなのだ。


「あのー、すいません。ちょっと聞きたいんですけどいいですか?」


「はい、大丈夫ですけど、どうしましたか」


「実は僕、田舎からでてきたばっかりで、身なりもこんな感じなので、なんか町の人から変な目で見られちゃって。うちの田舎だとこんな感じの人が多いんですが、やっぱり都会は違うんですねー。それで、センスの良さそうなお姉さんなら、いい服を選んでもらえるかと思って、駄目でしょうか?」


俺はそうって、上目ずかいでお姉さんにお願いする。お姉さんのほうもポロシャツ、ジーパン姿の俺を見て合点がいったのか、優しい笑顔で応対してくれる。


「うーん、確かにその恰好じゃ目立っちゃうかも。私でよければ手伝うけど、私でいいの?」


「はい、もちろんです。お店で初めて見た時から、都会の人っぽくて素敵なお姉さんだなぁと思ってて。あっ僕みたいな田舎者にそんな風に思われても困りますよね、ごめんなさい」


「ううん、うれしいわ。ウフフッ、じゃあお姉さんも張り切っちゃうわ」


その後、俺はお姉さんと歓談しながら、小一時間ほど服選びをしてもらい、店を後にでる。


「今日は本当にありがとうございました。あ、あの、また今度お店のほうに来てもいいですか?」


「勿論、ユウト君なら仕事じゃなくても、歓迎よ。良かったら今度町も案内してあげる」


「はい、じゃあ魔物を倒してお金ができたら、また来ます。ありがとうございましたー」


俺はそう言って店を離れる途中、大きく手を振りながら、笑顔で店を離れてく。暫くして道を曲がったところで、フィーネが声をかけてきた。


「ユウト、今度は服をおまけまでしてもらっていたわね。あのお姉さん、プライベートもOKって言ってたわよ。どうなってるの?」


「ん?何を言っているんだ、社交辞令だろ。大体、俺は値引き交渉をしていただけだ」


「まるっきりさっき、同じような話を聞いたんだけど」


「さっきは王子様モードだろ、今は甘え上手な弟くんモードだ。これぐらいみんなやってるだろう」


「やってるかっ。道理で前世であんたに惚れている女の子が7人って多いと思ったのよ。あんた普段からあんな調子なんでしょう?」


「いや、普段は三下モードとか二等兵モードのほうが好きだな。女王様気質の人にはそのほうが受けがいい」


「誰が女王様気質だっ。くっ、いけない、このままだとまたユウトのペースよ。それにしてもユウト、あんたモテる自覚ないでしょ?」


そこで俺は考える。俺がモテる?モテるやつというのは、ラブレターを貰ったり、バレンタインチョコを貰ったり、放課後伝説の木の下で告られたりするやつの事だろう。残念ながら、そう言った経験は一切ない。まあ俺、男子高だったしな。ラブレターとか下駄箱に入っていた日には恐怖でしかない。残念ながら俺の中に男の娘モードのレパートリーは存在しない。あっやべ、鳥肌立った。


「こらフィーネ、お前のせいで鳥肌たった」


「今の会話のどこに鳥肌が立つ要素があるの?」


「まあ、俺は男子高だからな。ぶっちゃけモテた記憶はない。モテるイコール恐怖だ」


「ああ、そういう事ね。まあいいわ、宿に行きましょ」


フィーネはそう言って俺の肩に乗ると、電車のつり革よろしく、耳たぶをつかむ。だからやめて、耳たぶ伸びちゃう。最終的には布袋様みたくなっちゃうからー。


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元々連載している作品です。こちらは真面目にファンタジー。 亡国の公子と金と銀の姫君
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