17話 リオ・デ・ジャネイロの猛反撃
「右舷より魚雷音を確認!!数5!!」
ソナー員が叫び声が聞こえる。
「クッ、右舷に回頭!!被害を最小限に抑えろ!!」
楓は大声を出し、指示を出す。そうして右に回頭を始め出した頃に艦に強い衝撃が走る。それと同時に右側に何本か水柱が上がるのが見えた。
「敵魚雷2本命中!!うち一本が第三砲塔直下に命中。第三砲塔が使用不可能。修復不可能です。もう一本は艦首に命中し、浸水しています。こちらはすでに応急修理中です。」
それぞれの報告をまとめて副長が報告する。
「そうか、、、総員、警戒を厳にせよ!!特に雷跡、雷撃機、爆撃機にはすぐに報告しろ!!」
楓は、女性とは思えない声を出した。これは大和艦長としての誇り、そして被害を出した責任から出た声だった。
実際、さっきの魚雷は隼達が取り逃がした雷撃機による魚雷だった。
「第一主砲塔、第二主砲塔、共に装填完了!!」
その時、伝声管から叫び声が聞こえる。
「装填でき次第順次射撃を続け、着弾時に着弾補正も忘れず行なえ」
楓はさっきとは違ういつもの普通の声で命令する。直後ドーンドーンと連続した轟音と共に艦が小刻みに揺れる。楓、そして大和参謀達は双眼鏡で敵艦を見ている。
「主砲、命中2、至近弾4!!」
観測員が双眼鏡を覗き込みながら報告する。
実際、戦艦リオ・デ・ジャネイロの近くでは水柱が4つ上がっていた。しかし、命中弾は一つだった。観測員は見間違えていない。では何故か、それは意外と簡単である。ただ単に、水柱の中に弾が入っていったために命中と勘違いしたのだ。しかし、艦橋にいる誰もそれに気がつかなかった。ただそれだけのことである。
装填完了まであと20秒
〜〜〜吹雪Side〜〜〜
吹雪が放ったミサイルは簡単に言うとゲームやアニメでよくあるマルチロックミサイルである。ロックオンに少し時間がかかる代わりに一気に複数敵を撃墜できる。FRD海軍航空開発部ではミサイルに力を入れており、実際、空対空ミサイルで射程がなんと500mを超えており、更に命中精度も高いと言うまさに虎の子的存在のミサイルや空対艦ミサイルで通常の艦対艦ミサイルの性能を優に超えるミサイルなど、かなりの期待を持たれているものも数多く存在する。マルチロックミサイルはその一例である。
「敵雷撃機は、、、あと25機ぐらいもいるのか、、、」
敵の雷撃機だけで25機、戦闘機は50機以上いる。敵は、まだ半分だ。しかし、敵を着実に落としているが、こちらも徐々に数を減らしている。最初はミズーリ艦載機、大和艦載機合わせて30機、しかしもうすでに残りは5機ほどしか残っていない。
奮闘したほうだと思う。ここまで敵を撃墜出来たのは半分は戦場が狭く、流れ弾で同士討ちしてくれたからであろう。
〜〜〜大和・CIC〜〜〜
「右舷に炎上を確認!!」
「直ちに消火に当たらせろ!!主砲装填まだか!!」
リオ・デ・ジャネイロからの砲撃により、右舷後方、第四主砲塔横10mのところに火災が起き、黒煙が上がっている。
大和は蛇行しながらリオ・デ・ジャネイロと主砲、副砲を撃ち合い互いの周りに水柱と黒煙をあげ続け、双方、ほかの味方には一切の攻撃させていない。いや、出来ないのだ。主砲をそちらに旋回させている間に主砲を叩き込まれ、更にその艦を攻撃している間に沈められてしまう。
「急いでやってます!!副砲塔装填完了。順次砲撃開始!!」
砲雷長が叫びながら答える。その瞬間、また砲弾が命中したのか、ガーンと言う音とともに少し艦橋が揺れる。そして、艦体後部からドゴーンという爆発音と黒煙が聞こえる。
「な、なにがどうなったんだ、、、、?」
艦橋にいる一人が呆然と呟く。実際、艦橋を含む状況がわからないところは唖然とし、完全に手が止まっている。
「状況報告!!まだか!!」
楓が叫ぶ。彼女の叫び声で大和の止まっていた時間が一気に動き出す。
「艦長!!」
その後数秒して、沈黙と、重い空気に包まれた艦橋に一人の乗組員が走ってくる。
「VLAに被弾!!ミサイル発射不可能!!共にミサイルが誘爆!!後部甲板使用不可能!!艦載機着艦出来ません!!」
「なん…だと…!?」
楓の絶望の声が艦橋に響いた
すいませんが、第二次世界大戦の兵器コーナーは少しお休みですすいませんm(__)m