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プロローグ

 このまま何もせずに時が終わるならば、いっそそれに対する後悔と罪悪感に押し潰されて死んでしまう方がマシだった。

 最善の選択肢は、私が、私の手で、全て終わらせる事。そして、また始める事である。

 ゲームのリセットボタンを押し込んで、『最初から』のコマンドを選択するのと同じだ。


 全部、消えてしまえばいい。そう思ったわけじゃない。私はまだそこまで気は狂ってないはずだ。狂ったのは、時と、運命と。――後、なんだっけ? 目の前にいる君なのか。

 私は、新しく始めるのだ。全てを始めるために、全てを終わらせるのだ。

 そう心の中で唱えて、そして私は、目の前にいる最愛の人物=君の頬に手を滑らせる。氷の様に冷たい、という比喩表現はあながち間違っていないようだ。いつもの様に、悲しくなるくらいに冷たい。


 そして、立ち上がった。目の前に向き合うのは一冊の本と、私の手に握り締めてある、ある一つの――



 さぁ、始めようか。私のとある復讐を。この世界に終止符を打ってやる。


 途中まで読んだ本のページを破り捨てて、新しく書き始める様な儀式。


 生贄として捧げるのは、幾千の書物を護る十四人の戦士達の魂を。




 永遠に続く様な闇の向こうで、白い蝶の様な物が煌めいたような気がした。

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