部活動停止処分
「ちょっと待ってくださいよ!」
「これ、どういう意味ですか!」
「どういう意味って、見たままじゃない」
「いやいやいや、意味が分からない」
「何ですか、部活動停止処分って」
「そのままの意味」
「そこじゃない!」
「じゃあ、何?」
「だーかーら、俺らは理由を聞いているんですよ!」
「理由は確か、『学業及び校内風紀に支障をきたしかねない』だったかしら?」
「はぁ? 部活やってるだけなのに?」
「俺たち、毎日毎日きちんと部活をやってるんですよ」
「それはそうでしょ」
「それも顧問の先生がいなくても自主的に」
「皆がテスト期間で部活動がないときだって、俺たちは部活動をやってたんですよ?」
「しかも雨の日も風の日も休みなくです。台風がきても部活はあったんです」
「それに俺たちの部活は他の部活みたいにお金もかからないし」
「最高の部活じゃないですか」
「センセー、ふざけてません?」
「ふざけてないよ、先生は本気です」
「本気って………」
「マジですか?」
「マジです」
「本気でこんなこと言ってるんですか………」
「それはそれでバカみたいな……」
「ひどいなぁ、先生に面と向かってバカなんて言わないよ、普通」
「いいんです、俺たち普通じゃないんで」
「普通にな―――」
「あっそ」
「!」
「!」
「とにかく、貴方達はしばらく部活動停止だから」
「いやいやいや、だから意味分かりませんよ」
「俺らの部活が活動停止って、意味不明ぃー!」
「あら、貴方達が申請したのよ? 他の運動部、文化部に入りたくないからって」
「それは、『我が校生徒は、皆が例外なく部活動に所属しなければいけない』っていうこの高校の意味不明な校則が悪いんです」
「ええ、そうかもね、だからって『帰宅部』っていう部活を作るとはねぇ」
「当然の結論です」
「だからってね、部活動欠席届けを出して公欠扱いにしろっていうのは、無茶苦茶だと思うのよ」
「何でですか」
「他の部活もやっているじゃないですか」
「あれはきちんと大会とか試合があるから良いの」
「俺たちだって、負けられない戦いがあるんですよ!」
「戦い? 何の」
「いかに効率良く帰宅するかとか」
「速やかに帰宅することにより―――」
「つまらないから、話を進めるわね」
「!」
「!」
「とにかく、部活動停止だから」
「だから…、あ、もう終業のチャイムが」
「帰ろ帰ろ。先生、また明日にでも話を聞きますからね」
「あー、貴方達、だから帰っちゃ駄目よ」
「は?」
「え?」
「だから、部活動停止」
「はい?」
「先生、とうとう頭が…」
「もうそれしか言えなくなって…」
「あのね、貴方達、部活の申請書には何て書いたの?」
「何て、何がですか?」
「部活動の活動内容」
「何てって、………」
「………、マジですか」
「貴方達の『帰宅部』の活動は『帰宅すること』だったわよね? ほら、ここにも書いてある」
「………」
「………」
「だから、貴方達は今日から二週間部活動停止、つまり『帰宅禁止』だから」
「………」
「………」
「分かったかしら?」
「あの、つかぬことをお聞きしますが…」
「その、親への許可は…」
「もちろん、快諾だったわよ。『バカ息子をよろしくお願いします』って、貴方達のご両親から先生、それぞれお願いされちゃった。あ、そうだ。とりあえず貴方達が今までサボってきた再テストからやろうかしら。全部で8教科、えっと、24回分? まぁ、二週間もあれば終わるわね」
「「いやー!!!!」」
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