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トライアーク・コンフリクトの代表選手の選出試験が始まり、学園はいつもよりも活気に満ち溢れていた。


デインも出場しないが、その様子を見るくらいには気になっているようだ。


「種目は4種目ですね。魔法に特化した『デュアル・マジックターゲット』。武力に特化した『ガーディアン・ブレイク』。戦術に特化した『インテグラル・コア』。そして、大会の大目玉『フラッグ・ドミニオン』。去年、僕も実際に足を運びましたが、すごい迫力でした」


今は実習棟の観覧席で、個々のステージで繰り広げられている、試験の見学に来ていた。


ここにはアウロニス、サイラス、レイフ、ウォルターが試験を受けに来ている。


レイフがこちらに気づき、手を振ってきたので、肩を竦めて返した。


「でも、残念ですね、シリウス君は出場するものだと思っていました」


様子を見ていたデインが、不思議そうにのぞき込んできた。


「まあね、別に出たいわけじゃないから。その分、他の生徒が出れるなら、それでいいんじゃない?」


試験の様子を見ながら、デインに返す。


サイラスが呼ばれて、ステージに上がっていた。


何をどう試験するのかと考えながら、デインの声に耳を傾ける。


「そうですね。僕はもともと適性がないですけど、シリウス君は強すぎますからね。お互いに裏方でサポートの方が大会的には良いかもしれません」


裏方と聞いて、デインに目を向ける。


「デイン、裏方やるの?」


「はい、応募してきました」


にっこりと笑顔を返される。


その顔を見ながら、数日前の、教師からの呼び出しを思い出した。


『シリウス君、我々学園側としては、君には補佐役として同行してほしいと思っている。無理にとは言わないが検討して、もしやる気があれば、この用紙を渡してくれ。きちんと君の後見人の方には許可いただいているから、後は君の意思次第だ。いい返事を待っている』


あまり気乗りのしない役割だった。


この大会の日程を聞けば、前入り1日、大会が2日間で計3泊4日の旅程になる。


代表選手ではない以上、観ている時間の方が長い。


友達の活躍を観るのは悪くないが、拘束時間を考えると気分は上がらない。


騎士見習いとして働くか、錬金学の研究にあてた方がよっぽど有意義な気がした。


「シリウス君は、やらないんですか?」


「……悩んでる。なんでデインは裏方やるの?」


デインがきょとんとした顔をする。


「何かしらの形で大会には関わりたいですからね、公爵家という立場的問題もありますし。でも一番の理由は」


デインがステージの方に顔を向けて、手を振っている。


フェンリスだ。


イマラも居る。


「友達が出るっていうんですから、応援しない理由がありません」


その答えは胸にスッと降りてきた。


ステージの方に目を向ければ、今度はレイフが上がっていく。


「確かに、応援は行きたいかも」


レイフが必死に相手選手にくらいついているところを目で追う。


「たぶん、お友達も喜ぶと思いますよ」


「……」


レイフたちのその姿を思い浮かべて、苦笑した。


「……やろうかな」


「ええ、ぜひ、一緒にサポートしましょう!」


デインの笑顔に、つられて微笑んだ。



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