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朝の作品 ~そんなサイトはございません~

作者: しゅうきち

10年以上以前に書いたテーマで、また書いてみました。

こんなサイトはありません

 ある朝、純三が軽く力むと作品は便器の中に現れた。

 太く長く色艶も申し分なく、健康的で惚れ惚れするぐらい立派な作品は、舐めたり匂いを確かめる勇気はなかったが、これならサイトで公開しても恥ずかしくない出来栄えだと確信した。

 そのサイトとは、主にヒトが朝出す(朝とは限らないが)物を撮影してサイト内で公開して、仲間で鑑賞し合うという会員制のものだった。

 純三は、最初にそのサイトを知ったとき、凄く変態か変わった趣味の集団だと思った。

 しかし、撮影したそれは会員でないと見ることは出来なかったが、コメントを読んでいると、会員にドクターがいるらしく医学的なアドバイスをしてくれてる。また思い思いにユニークな作品を作ろうと努力してる人の紹介コメントが笑えるのだ。それらを読んでいると、誰もが出すものだし健康のバロメーターにもなるんだから、そういう団体があってもおかしくないかと思い始めた。

 純三は、ふざけ気味にちょっとだけとサイトに登録してみた。すると撮影された作品が見られて、なんか変な気分になったが、写真に寄せられたドクターのコメントを読むと、

「ちょっとお腹の調子が悪いですかね」

 とか、少し赤い色が混じっていると、

「すぐに検査をしてもらいましょう」

 などと、真面目なアドバイスがある。

 また、ウケ狙いの作品は、

「激辛のラーメンを食べた成果です。おかげで痔になりそう」

 と紹介された写真は、真っ赤で巨大な唐辛子かと思えるくらいだった。 

 また、緑色の出したくてホウレン草をしこたまた食べた、と書いてある作品は、キュウリかゴーヤのように見えた。

 そして、イラストとかでよく見る感じのを作りたくて尻を回しながらしました、と紹介された作品は、なんとなくベビがとぐろを巻いているように見える。

 純三は、だんだん自分も作品を公開して仲間に入りたくて、悩みに悩んだ。

 意を決した彼は、初作品を投稿し公開した。

 彼は会員から熱烈な歓迎を受け、作品を撮影すべく36回のローンで最新のiPhoneを契約するに至る。


 

 

読んでくださりありがとうございます

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