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突然だけど、空間魔法を頼りに生き延びます  作者: ももがぶ
第3章 ただいま、放浪中
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第63話 つまりは……ってことですね

 俺の失言? で皆が怪訝な顔をする中で俺はふと疑問に思ったことを口にする。


「あの……」

「ヒロ殿、考え直してくれたか!」

「陛下のことが不安材料ならなんとでもすると約束しよう!」

「ジャミア伯?」

「すみませんが、陛下に構っている場合ではないので。ヒロ殿、それでどうなのだろうか?」


 伯爵は少し脱線気味というか俺がこの地を捨てるのではないかと不安に思っているようで、そのせいか王様を少しだけぞんざいに扱っている様な気がしないでもない。


 そして俺がふと思ったことを口にしようとしたところで、伯爵が暴走してしまい話どころではなくなってしまったので、コホンと空咳をしてからなんとか俺のペースに引き戻すと「えっと、改めてですけど」と話を切り出す。


「あのですね。ふと……ホントにふとおもったんですけど……」

「なんだろうか。なんでも言ってくれ! 先程も言ったように陛下が邪魔なら排除することも厭わない!」

「いや、だから私は……ハァ~まあいい。今のジャミア伯の耳には何も届きそうにない。ヒロ殿、済まないが話を進めてくれ」

「……分かりました。では、改めまして」


 俺はさっき自分でも言ってて「ん?」と思ったことを聞いてみた。


「俺が不思議に思っているのはですね」と話を切り出し、何故交通機関が発達していないのか、何故機械が使用されていないのかが気になったと話す。


 俺よりも前に日本からの(まれびと)が多数出現していたのはなんとなく知っている。


 稲作を広めたり、漢字などの日本語文化を広めたり、中にはコスプレを広めたりと日本のアレコレが十分に浸透しているのに、何故か蒸気や化石燃料を使った内燃機関を元にした交通網が全くと言っていいほど存在していない。


 今までの(まれびと)の話を聞けば、中には小中学生もいたりして、その子達が持っていた教科書が聖典として大事に保存されているとも聞いている。


 中には歴史だけでなく理科や社会などの教科書もあるハズだから、蒸気機関を元にした産業革命の話も載っていたであろうことは想像に難くない。


 じゃあ、なぜそれらの機関が使用されていないのかが不思議になり、口に出し聞いてみると王様と伯爵はふぅ~と嘆息し「それはだな」と俺の疑問に答えてくれた。


「……と、いうことだ」

「なるほど。要は(まれびと)が齎した技術を利用することは可能だが、その先に迎えるであろう環境破壊のことを考え、国際法で禁止されていると……」

「まあ、端的に言えば、そんなところだ。で、実際はどうなんだ?」

「どう? とは?」

「いやな。ヒロ殿が疑問に思っている様に機械を使うことは確かに便利であろうことは想像出来る。だが、環境破壊が進み、それを保護したり、完全に元に戻すことは不可能であろうと言われては我々も率先して使おうとは思わない。その辺りはどうなのか。ヒロ殿の率直な意見を聞いてみたいのだが」

「まあ、そうですね……」


 王様に言われ、俺も少し前までいた日本のことについて考えてみた。


 確かに化石燃料の使用を減らし温暖化の影響を少しでも抑えようと世界で頑張っているのは確かだが、それ以上に温暖化が進んでいるのは疑いようがない。


 だが、ここには魔法があるのだから化石燃料を使わない方法があるのではと質問してみると「それはムリだ」と王様が答える。


 俺はその答を聞き「あ!」と思い当たる。


 俺は自分の部屋では普通に灯り(ライト)を使っていたけど、他の場所……例えば廊下や他の部屋では薄暗いランプが使われていたことを。


「でも、魔道具とかあるんじゃないんですか?」

「まあな。だが、それを使うことすら危惧されてしまい今に至だ」

「そうなんですか。でも、化石燃料を使わないのなら問題ない様な気がしないでもないですけどね」

「私も先代達の話を聞いた時にはそうは思ったが、今更世界の調和を崩したいとは思わない……だが、そうだな。ヒロ殿が主体的にやるのであれば、もしかしたら……もしかするかもしれないな」

「えっと……それはどういうことでしょうか?」

「なに、国が主体となって動けば問題だが、ヒロ殿が動くのであれば私は知らなかったと……言えなくもない……と、言うことだ」

「え、それって……」

「まあ、分かりやすく言えば、突破口を開いてくれるのであれば、それとなく応援するということでしょうか」

「……要するに上手くいけば『実は陰ながら応援していました』と言うけど、失敗したり批判された場合には『関与していません』と切り捨てることもあると……そういう訳ですか」

「分かってくれたかい?」

「ええ。政治の世界はよく分かりませんが……」

「分からないなら、それでもいい。つまりは我々もヒロ殿が感じている様に発展していきたいのだよ」

「……」


 王様は表立っての応援は出来ないが、成果が上がれば遠慮なく享受させてもらうと臆面もなく言う。


 手柄を横取りされる様な気がして面白くないが、鉄道を敷設するのもそんなに簡単な話ではない。


 ならば、空路はどうかと考えたが、空は空で色々な問題がありそうなので安全面とか考えるとダメだろう。


 そうなると残るのは……。


最後まで読んで下さりありがとうございます。


おもしろい!

続きはどうなの!

応援してあげてもよくてよ!


と、思ってくれた方。

恥ずかしがらずに下にある☆を★にしてみませんか?


★は★★★★★までありますから好きなだけどうぞ!

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