第58話 探しものはなんですか
「いや、出たいのは分かったけどさ」
「ダメなん?」
「いや、ダメとか「なんでなん?」……いや、ちょっと落ち着こうか」
「……なんでウチだけダメなん?」
「いや、だからね「うわぁぁぁ~~~ん!」……あ……」
「あちゃ~やっちゃったな」
「え? 俺が悪いの?」
「「「……」」」
「マジ?」
「まあ、諦めろ」
「いや、ちょっと待ってよ! 俺何もしてないよ。ねぇ見てたでしょ。リーアさん!」
「すみません。私にはヒロさんを擁護する言葉が見つかりません。申し訳ありません」
「えぇガルちゃん……は、いいや。ル「ちょっと待て!」リ……待たない。ね、ルリ」
「だから、俺の話を聞けよ!」
「いや、ガルちゃんはホントにいいから。ルリ、君の意見を聞かせてくれ」
「ふむ。妾の意「ぐすっ……」見……の前にこれを片付けた方がよいのではないのか?」
「えぇ~」
ベネがなんとなく外の世界に興味を持ち続け、なんとか出たいと頑張っているのは分かった……分かったけど、なんでそんなに出たいのか、その理由を聞かせて欲しかったんだけど、その前に泣き出してしまい手が付けられなくなる。
すると茶化すようにガルちゃんが「やっちゃったな」と言うので俺は自分の顔を指差して「俺が悪いの」と皆に聞けば、無言で頷き肯定された。
なんでと言う気持ちが拭えずにマジかと言えば、ガルちゃんに諦めろと言われガクッと肩が落ちる。
でも、やっぱり腑に落ちないのでリーアさんに「そんなことはありません」と行って欲しかったんだけど、リーアさんは首を横に振りながらすみませんと頭を下げる。
なら……とガルちゃんをチラリと見るが、真っ先に俺のせいだと言ったのはコイツだったなというのを思い出し、ルリに話を振ればガルちゃんが「俺を無視するな!」と怒るが、そんなのは無視してルリに声を掛ければ、今度はガルちゃんがグスッと泣き出した。
とりあえず意味が分からないので、無視してルリに話しかければルリは横目でガルちゃんを見ながら先にどうにかしろと訴えてきた。
なので先ずは多少は分かり易そうなガルちゃんからと「え~と、ガルちゃん?」と声を掛ければ「なんで無視した!」と涙目で訴えてきた。
「いや、なんでって……先にガルちゃんが俺が泣かせたって言ったじゃんか」
「……だから、なんだ!」
「えぇ~」
「えぇ~じゃない!」
「ハァ~……じゃあ聞くけど、なんで俺が悪いの?」
「そんなの泣かせたのがヒロだからだろ」
「いや、だからさ。俺は何もしてないよね?」
「は? お前、バカか?」
「え?」
「何もしてないのに泣くヤツがいるか!」
「いや、だから目の前に「は?」……え?」
先ずはガルちゃんをどうにかしてからじゃないと話が進められないとガルちゃんに聞いてみれば俺が悪いとしか言わない。
なんでも俺と話している時に泣いたのだから俺が悪いと言うのだけど、さっきから言っている様に俺が何かした記憶はないし、話の内容にも特に責めたりするような内容はなかったと思う。
でも、ガルちゃんは俺と話していて泣いたのだから、俺が悪いのは明白だろうと言う。
それでも俺は何もしてないのだからと、ちょっとだけ声を大にして言えば、ガルちゃんが不機嫌そうに「は?」と言うではないか。
「ハァ~先ずは謝るんだな。話はそれからだろ」
「え? 理由を教えてくれないの?」
「は? なんで俺が? 俺が泣いた訳でもないのに分かるわけないだろうが。お前、大丈夫か?」
「へ? じゃあ、ガルちゃんはなんで泣いたの?」
「……言うか!」
「えぇ~」
「だから、お前は先ずベネに謝るんだ。話はそれからだ。いいな!」
「……もう、分かったよ。えっと……えぇ!」
「そうなんですね。ベネはどうしても探したい物があるんですね」
「はい! そうなんです! なのにあの男は……でも、リーアお姉さまに話を聞いてもらえたのでよかったです!」
「「「……」」」
いつの間にかリーアさんの手を取り、涙を拭いながら「さすがです!」とリーアさんをべた褒めしている。
そんな様子に俺とガルちゃん、ルリは嘆息するしかないがガルちゃんは「ちっ、またいいとこ取られた」と舌打ちする。
ベネが泣き止んだのはいいんだけど、俺はあの男ですか……そうですか、それならあの男は黙って退去した方がいいのかなと思っていたら、リーアさん達の方がちょっと騒がしくなった。
ちょっとだけ話が遡り、リーアさんがベネにそこまで探したい物は何かと問い掛けるとベネが「実はこれなんです」とどこかから出してきたのは、表紙も何もかもがボロボロなどうにか雑誌だろうなと思えるモノだった。
ガルちゃんが「どれ」と手を伸ばせば「止めて!」とベネがサッと躱し「これだけしか残ってないのに!」とガルちゃんを睨み付ける。
「状態保存は掛けてないんですか?」
「……分かりません。拾った時は大丈夫だったんですけど……」
「拾った……のですか?」
「はい。浜に打ち上げられていたようです。それで……その……内容が内容だったのでウチに預かって欲しいと……」
「なるほど。漂流物の内容を一般に公表するのは憚られたと言うのですね」
「はい、そうなんです! 特にこのページのこのシーンが「お! コレって、アレじゃねぇか。なあ、リー「ガルちゃん! シッ!」……もご……」……え? ご存じなんですか?」
「プハァ! ご存じも何もなあリーア」
「ガルちゃん!」
ボロボロの雑誌のなんとか無事な部分をベネが開いて見せれば、その開かれた部分を覗き見たガルちゃんが「コレってアレだろ」とリーアさんに話を振れば、リーアさんはガルちゃんを好きに喋らせまいと口を塞ぐが、それをなんとか逃れたガルちゃんはリーアさんが知っていると特大の爆弾を落とした。
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