第48話 妾に何をするのじゃ!
突然のルリの「出ようとしても出られないのじゃ!」と言う発言に対しリーアさん、ガルちゃんはそんなこと考えもしなかったと軽く流すが、ルリはそんな二人に「ならば、何故ここにいるのじゃ!」と更に問い詰める。
そして二人がもしかしたらと俺の方を見れば、ルリが「お主じゃな!」とビシッと俺を指差す。
「ちょっと、人を指差したらダメでしょ」
「む、それは申し訳ないのじゃ……いや、そうじゃないのじゃ! やはり、お主が原因なのじゃな!」
「もう、だから指しちゃダメだって」
「ならば、白状するのじゃ!」
「白状って?」
「ふん! 決まっておろう。妾と同じ世界樹の守人二人がここにいる理由をじゃ!」
「いや、なんでって……ん~俺が連れて来たから? いや、違うな。勝手に着いてきたんだし……」
「ヒロさん、いくらなんでもそれはないのではないでしょうか」
「そうだぞ。それだと俺達が無理矢理……ん~いや、そうか。俺の場合はそうだったな」
「ちょっと、ガルちゃん」
「お、リーア。そんなに慌てるってことは……」
「そうですね。リーア様もガルディア様と同じです」
「もう、オジーさんまで」
「もうよい!」
「「「え?」」」
ルリが俺を指差すのでそれをやんわりと注意すれば、一度はその指を大人しく下げたものの「やっぱりお主なのじゃ!」と更に力強くビシッと指し「白状するのじゃ!」と言い出した。
白状と言われても俺には思い当たることはないし、それに連れて来たのではなく勝手に着いてきただけの二人のことまで俺に聞かれてもと言えば、リーアさんはちょっとだけ反論するがガルちゃんとまさかのオジーからの追撃でシュンとなる。
だが、ルリはそんなことはどうでもいいとばかりに遮ると「やはり、お主が鍵なのじゃ!」と今度は俺の顔に突き刺さるんじゃないかというくらいの近さ……って痛いし、頬をグリグリしないで欲しい。
「さっさと白状するのじゃ!」
「もう、だから知らないって言ってるじゃないか!」
俺は頬をグリグリとしていた指を払い、そう言い返すがルリは不満そうに「ならば、なんでなのじゃ!」とまた同じ質問を繰り返せば、リーアさんが「ちょっとよろしいでしょうか」と間に入る。
「ヒロさん、試してみるのが一番、手っ取り早いのではないでしょうか」
「え?」
「あ~もう、要はソイツを連れて跳べってことだよ。だろ?」
「ええ、そういうことです」
「は?」
「また、増えるじゃない……」
「旦那様、お許し下さい。私には止められませんでした」
リーアさんの提案にどういうことかと頭に疑問符を浮かべる俺に対しガルちゃんが補足説明をしてくれたのだけど、それを聞いた先輩とオジーが揃って頭を抱える。
「分かりました。じゃ、ほら」
「ん? なんじゃ?」
リーアさんの提案にのり、ルリに対し手を差し出すがルリは俺が何をしたいのか分からず差し出した俺の手をジッと見る。
「だから、出たいんだよね?」
「……うむ、そうじゃ。じゃが、この手はなんじゃ?」
「ふぅ~いいから、はい」
「な、何をするのじゃ。こういうのは会ったばかりの男女には早過ぎるのじゃ!」
「リーアさん……」
「まあ、しょうがないですね。ルリ、はい」
「む、今度はお主か……ま、まあよい。女子であれば……で、何をするのじゃ?」
「ふふふ、ひろさん。いいですよ」
「うん、じゃ」
「え?」
ルリと手を繋いだリーアさんが俺の手を取り合図をするのと同時にガルちゃん達も俺の周りに集まったので、その場で転移する。
「……ここはどこじゃ?」
「どこって俺の部屋だけど?」
「な、何をするつもりじゃ! 出会ったばかりの女子を部屋に連れ込むのは犯罪じゃぞ!」
「えっと、リーアさんお願い」
「はい、承知しました。ルリ、回りをよく見て下さい」
「ん?」
「分かりましたか。この部屋にはヒロさんとルリだけではなく私達もいるのですよ。だから、ヒロさんがあなたに何かすることはありません。ええ、絶対にです」
「そ、そこまで言わなくてもいいじゃろ。妾はこんなにプリチーなのじゃから、ひょっとしたらがあるのかもしれないのじゃ」
「いいえ。絶対にありません!」
「だな。アイツにそんな度胸があればな……はぁ」
「そうよね。私達の裸を見ても何もしてこないってのもね……ハァ~」
いきなり俺の部屋に連れて来られて不安気なルリが自分の前で腕を組み俺に対し警戒心マックスになるが、なんか説明するのも面倒臭いのでリーアさんに丸投げする。
俺に説明を任されたリーアさんが、大勢の人がいるので何も心配することはないと言うがルリはそれでも自分が可愛いから万が一があるかもしれないと言うも、リーアさんがそれを全否定し、ガルちゃんや先輩は何故か不満気に嘆息する。
「今は、そういうのは横に置いといて……で、どう?」
「何がじゃ?」
「だから、ここはルリの知らない場所だよね。世界樹の範囲から出たことにならない?」
「ん? どういうことじゃ?」
「だから「ルリ、そこの窓から外を見て見なさい」……ありがとうリーアさん」
「いいえ。これも内助の功ですから、うふふ」
「あぁ! ちょっと、何ソレ!」
「おい、そりゃないぜ」
「さ、回りが少々うるさいですが……」
「あ、ああ、そうするのじゃ。ん? んんん? な、なんじゃここは!」
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