第47話 お主かっ!
「放すのじゃ!」
「はいはい、いいからいいから、どぉどう」
「むぅ……」
まだ、若い二人に言い足りないと不機嫌さを隠す様子もなくぶぅたれているルリを座らせ落ち着かせる為に発泡酒を開けてから渡せば、それを引ったくるように奪い取るとグビグビと一気に飲み干し「プハァ! ムカツクのじゃ!」と空き缶を座卓に叩き付けるように置くと俺の方を見て「何故、止めたのじゃ!」とくってかかる。
「止めない方がよかった?」
「当たり前じゃ!」
「でも、俺が止めないと余計惨めな気持ちになったと思うよ」
「うぐ……」
「ルリ、私が言うのもなんですが……」
俺にもっと言わせるのじゃと憤慨していたルリに対し横からリーアが入りルリに対し、あのまま二人を責め続けていればどうなっていたのかを事細かに話せば「ウソじゃ!」とルリはそれを認めようとしないが、ルリが回りを見渡せばガルちゃん達はうんうんと頷いているのが分かる。
「ま、マジか……」
「そうだな。俺にも分かるくらいマズい状況になったのは間違いないだろうな」
「そうね。そもそも『妾より強い雄しか認めないのじゃ!』って、生涯独身を貫きますって宣言してるのと同じだしね」
「そ、そんなことはないじゃろ……」
「ホントにそう思っていますか?」
「……少し前から」
「ホントは?」
「……すまぬ。もう、ず~っと前から感じてはいたのじゃ」
「ハァ~なら、その時に軌道修正していれば、今みたいに拗らせることもなかったでしょうに……ホント、何をやっているんですか」
「すまぬのじゃ」
リーアさんに諭されガクリと肩を落としているとガルちゃん、先輩もそれにのっかりダメ押しをするとルリは少しだけの希望を持ち、反論するも更にリーアさんからホントの所はどうなのかと念押しされ、正直にこたえる。
「じゃが、妾とて一度くらいは……ぐすっ」
「あ~もう、ほら泣かないの。はい」
「う……うわぁぁぁ~~~ん!」
「はいはい、ルリはいい子ですねぇ」
リーアさんがルリの背中を優しく撫でながら、そう声を掛ける。
「こうやって見ていると……守人といっても普通の女の子なんだな」
「はぁ? お前は俺達のことをどう思っていたんだ?」
「ふふふ、ガルちゃん。そういうところだと思いますよ。ねえ」
「ん~でも、見た目以上にね「ウララ、めっ!」ん……あ、ごめんなさい」
俺はそんな光景を見て素直に心情を吐露するとガルちゃんが俺を睨み付け、リーアさんがそれを諫め、先輩もそんな三人の守人を見て実年齢を考えると……と、口にしようとしたところでリーアさんから止められる。
「で、どうしますか?」
「へ?」
「ですから、ルリのことですよ」
「え? リーアさん、どういうことですか?」
「ったく、諦めの悪い奴だなぁ要するにだ。コイツを迎えるのか迎えないのかってことだよ」
「「「はい?」」」
いきなりのリーアさんの質問に何を言っているのか意味が分からずキョトンとしているとガルちゃんが嘆息しつつルリを連れて行くかどうかと聞いているらしいが、俺だけでなく先輩もオジーも一緒になって思わず間抜けな声が出る。
「それじゃ!」
「「「え?」」」
リーアさんの太腿に突っ伏しえぐえぐと泣いていたルリが突然、顔を上げビシッと指を差す。
「そもそもじゃ。なんでお主らはここにいるのじゃ?」
「え? 今さら、それを言いますか」
「ホントだよなぁなんでも何も来たからに決まっているだろ」
「そういうことじゃないのじゃ!」
「はい?」
「あ?」
リーアさんの太腿に突っ伏すという羨ましい状況から、ルリが顔を起こすと同時に俺と言うかリーアさんとガルちゃんに対し疑問を口にする。
「何か不思議なことがありますか?」
「そうだぞ。何か不都合でもあるのか?」
「そうではないのじゃ!」
「ルリ、分かる様に言ってもらえないとリーアさん達も答えようがないんだけど」
「うむ、それもそうじゃな。妾とて、このままお主と一緒になるのはさほど問題はないのじゃが、疑問は残したくないのじゃ」
「え? いつの間に決まったの?」
「ちょっと、ヒロ! どゆこと?」
「実はの……」
そんなルリの質問の意図が分からずリーアさん、ガルちゃんが聞き返すが要領を得ないので俺が横から口を挟めば、ルリが俺と一緒になるためには解決しないとダメな疑問だと言う。
そしてルリが「どうやっても出られなかったのじゃ」と口にするが、リーアさんとガルちゃんはそれだけでは分からないともっと詳しくと言えば「妾が管理するこの世界樹の範囲からはどう足掻いても抜けられなかったのじゃ」と言う。
「あら、それは知りませんでした」
「へぇ~そうなんだ。いやぁ、知らなかったなぁ~」
「なんでなのじゃ!」
「なんでと言われましても……」
「ああ、そうだな。そもそも出ようとは思わなかったしな」
「だから、なんでなのじゃ!」
ルリからの説明を聞いてもリーアさんもガルちゃんもそれを飄々と聞き流すが、ルリにはそれが理解出来ないらしい。
「では、聞きますが……ルリはなんで出たかったのでしょうか?」
「そうだな。俺は……うん、そうだな。出たいと思わなかったからな」
「あら、私もですよ」
「お、気が合うな」
「ですね。うふふ」
「ぐぬぬ……」
俺なりに話を纏めると、ルリは何度かこの里から抜け出そうとしたみたいだが、ある所まで行くと見えない結界の様なものがあり、そこからはどうやっても先に行けなかった。
だから、同じ守人でもあるリーアさんとガルちゃんが何故ここにいるのかと不思議に思ったらしい。
「なるほど、そういうことなのですね。ですが、それを私に聞かれても困りましたね」
「ああ、そうだな。それは俺も一緒だ」
「ならば、何故じゃ!」
「ん~何故と言われれば思い当たるのは……」
「ああ、そうだな。俺も……」
「ん? お主が鍵なのじゃな!」
「へ? 俺?」
最後まで読んで下さりありがとうございます。
おもしろい!
続きはどうなの!
応援してあげてもよくてよ!
と、思ってくれた方。
恥ずかしがらずに下にある☆を★にしてみませんか?
★は★★★★★までありますから好きなだけどうぞ!




