第44話 意味不明、理解不能なんですけど
「はぁ、満足じゃ。馳走になったの」
「おい!」
「ん? なんじゃ」
「なんじゃじゃねぇ! なんで、お前はそこに座っているんだ! そして、ヒロ! お前も何で黙って受け入れているんだよ!」
「騒がしいヤツじゃの。妾が気に入って座らせてもらっているのじゃ。その様に此奴を責めるでない。のぉ」
「えっと、俺に拒否権ってあったりします?」
「ないのじゃ」
「くっ……なら俺と替われ! ヒロも文句ないよな!」
「いや、ガルちゃんはちょっと……」
「なんでだよ!」
「ふふふ、ガルちゃん残念でしたね。では、ヒロさん。私ならいいですよね」
「ごめんなさい」
「えぇ……そんなぁ~」
「なんだよ、リーアもダメじゃねえか。なら、なんでソイツはいいんだよ!」
「いや、なんでって言われても……大体、リーアさんもガルちゃんも大きいから」
「「「……」」」
満足そうにルリは自分のお腹をポンポンと叩いているとガルちゃんが、なんでそこに座っているのかと文句を言い出す。
ガルちゃんが言うソコとはあぐらをかいて座っている俺の上だったりする。
ガルちゃんはそれが面白くないと言い、俺にもなんでそれを受け入れているのかと言うが俺もなんでこうなったのかは分からない。
じゃ、止めてくれと退かせばいいのにとも言われるが、それほど重くはないし、さっきからフワフワと俺を誘惑するかのように振られている尻尾がなんとも言えない。
でも、ガルちゃんは自分も座りたいのかルリに替わるように言い俺にもいいだろと言うが、俺はそれを拒否する。
ガルちゃんはまだ文句を言いたそうだったが、今度はリーアさんがならば自分ならとガルちゃんの前に出てくるが、俺はそれも断る。
断られたリーアさんはまさか自分が拒否されるとは思っていなかったのか、顔に青白い三本線が浮かんでいる。
ガルちゃんも自分だけでなくリーアさんまでもが拒否されたことに憤慨し「なんでダメなんだ!」と聞いて来たので単純に「重いから」と返せばガルちゃん達の後ろで先輩にも流れ弾が当たっていた。
「お、お前な、女子に向かってそりゃないだろ……泣くぞ」
「いや、でも実際にルリとガルちゃんじゃ……ねえ」
「うむ、そういうことじゃ」
「くそっ!」
回りを見渡し取り敢えずは落ち着いたかなとルリにここについて聞いてみる。
「もう一度聞くけど、ルリはこの世界樹の守人なんだよね」
「そうじゃな」
「それでここはどういうところなのかな?」
「どういうところとは?」
「えっと、例えばリーアさんのところならエルフだし、ガルちゃんのところならドワーフって風にさ。守人が管理する世界樹の回りには、それを代表する様な種族がいるでしょ。だから、ルリの世界樹では……もしかしてだけど、獣人だったり?」
「おう! さすがは客じゃの。うむ、正にお主の言う通りじゃ。ここでは獣から進化した獣人が暮らしておるのじゃ」
「へぇ。と、なると……強さが一番とか?」
「お! 分かっておるの。ほれ、あそこを見るがよい」
「え?」
ルリが指す方向を見ると何やら頑丈そうな土台の演舞場があり、その上では二人の獣人が戦っていた。
「へぇ。じゃあアレは何か揉め事を解決しているとか、そう言うことなの?」
「うむ、そう言うことじゃ。ちなみにアレは妾への挑戦権を賭けておるところじゃ」
「「「へ?」」」
演舞場で戦っているのはルリへの挑戦権を賭けていると聞かされ、俺はマジかとルリの顔を覗き込めば、ルリも顔を上げ「マジじゃ」と答える。
「「「えぇ!」」」
「なんじゃ、何が不思議じゃ?」
「だって……ねえ、ヒロ」
「ん~まあ、ね……ウララが言いたいことも分かるし、俺もその辺は気になっているけどさ。ルリに挑戦ってのはどういうことなの?」
「はぁ……お主、何も分かっておらぬな」
「え?」
「そんな理由なぞ妾を見れば一目瞭然じゃろ。何を不思議に思う」
「いやいやいや、サッパリだけど」
「ハァ~そんなことじゃ妾の伴侶になることはムリじゃぞ」
「うん、ならないし」
「ん? よく理解していないようじゃの。よいか「いや、それはいいから」……なんじゃつまらん」
「それよりさ、なんでルリに挑戦するのかを教えてよ」
「ハァ~全く……よいか、ここは力こそが全ての獣人の国じゃ」
「うん、そうみたいだね。で?」
「ここまで言っても分からぬか。まあよい。ここでは賭ける対象を求める全員で戦い一番を決めるのじゃ」
「それは分かっているけどさ。じゃ、ルリに挑戦するってことは……まさか、守人の座を賭けてってこと?」
「は?」
「バカ!」
「まあ、ヒロさんですし……」
「なんで分からないの。って、分かられてもなんか悔しい……」
ルリに対する挑戦がどういうことなのかを確認しているだけなのに何故か皆に呆られているようだ。
ルリは「此奴本気か?」って顔でガルちゃんはバカだと言い切り、リーアさんは俺だからと呆れ先輩はぶつくさと何か呟いている。
俺は俺で皆が何に呆れているのか分からずに憮然としていると「しょうがないの」とルリが立ち上がり「ほれ。これで分かるじゃろ」と腰に腕を当て自慢そうに胸を張るが、俺にはさっぱり分からない。
「マジか!」
「ルリ、これがヒロさんなので」
「ふん! そんな形で分かる方が不思議だろ」
「でも、ガルちゃんは分かったでしょ」
「くそっ! そうだよ! 出来れば俺だって……って、そんなことはどうだっていい。要はだ。この小娘に挑戦し、勝てばその……なんだ……あぁ~もう、ウララ、お前が言え!」
「え? 私が? もう、分かったわよ。つまりね……」
「えぇ! ウソでしょ。だって……」
「ふん! ウソと思うなら、もうすぐ終わるから黙って見てるがよい」
先輩から説明を聞くも理解が追いつかず、聞き返そうとするがルリが言うのと同時に演舞場から大きな歓声が上がり、一人の獣人が倒れ伏し、もう一人の獣人が歓声に応えるように高々と手を挙げていた。
「俺はルリ様に勝ち、妻に娶ることをここに宣言する!」
「「「うぉぉぉ!」」」
「え? マジ?」
「だから、言うたじゃろ。ま、こんなプリチーな妾じゃからな。世の男どもが狂うのも無理なかろうて。お主もそう思うじゃろ?」
「ん~まったく」
「マジか?」
「マジだけど?」
勝者となった獣人の宣言を聞き、俺はルリに対する挑戦権の意味を理解し、ルリも意気揚々と胸を張るが俺には全く理解出来なかったので、そのまま答えればルリは分かり易くガックリと肩を落とす。
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