表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
突然だけど、空間魔法を頼りに生き延びます  作者: ももがぶ
第3章 ただいま、放浪中
163/191

第37話 いくつになっても女子会なんです

「わっ! ホントに来られたみたいね」

「おい! そんな不確かなことに俺を巻き込むなよ!」

「うふふ、そうですね。ソレは悪かったですわね。でも、ここならほぼ二人っきりでしょ」

「ほぼ……あぁ、確かにな」


 無事にリーアが守人を務める世界樹の枝の上へと無事に転移して来たリーアとガルディアはヒロの予想通りに無事に転移出来たことを喜ぶが、ガルディアはちょっとだけ呆れている。


 そしてリーアのほぼ二人っきりと言う言葉に枝の上から下を覗き込みエルフらしき人影を認めると確かにと頷く。


「で、どうなんだ?」

「あら、早速ですか」

「ああ、その為に来たんだろうが」

「まあ、そうですね。ですが、素面ではちょっと……」

「は? ここまで連れて来てそれはないだろぉ~」

「うふふ、そう思ってですね。実は……」


 リーアの言葉にガルディアはウソだろと天を仰ぐが、そんなガルディアを見てリーアはどこからか発泡酒とワイン、それとワイングラスにデパ地下惣菜を取り出し並べると、ペロッと舌を出す。


「なんだよ、あるじゃないか」

「はい。先程、ヒロさんにお願いして何品か譲っていただきました。うふふ、こういうの女子会って言うんですって。なんか楽しいですね」

「女子会ねぇ~お互い、女子っていう「なんですか!」……いや、そう怒るなよ」

「では、これから歳の話はナシでお願いします」

「分かったよ。で?」

「もう、女子会は始まったばかりですよ。もう少し楽しんでからでもいいじゃないですか」

「……分かったよ。じゃ……アイタ! 何すんだ!」

「何じゃないです! それは数が少ないのですから他のにして下さい」

「いや、別にどれでもいいだろ」

「いいえ。ガルちゃんみたいなバカ舌な人には勿体ないです」

「それが本音かよ! チッ、分かったよ」


 ガルディアが発泡酒を片手にちょっと豪奢な感じのデパ地下惣菜に手を伸ばそうとしたところでリーアに窘められ、不請不請ながらも量だけはあるフライドポテトへと手を伸ばし、口へと放り込むと「バカ舌と言うが、それはお前もだろ」と呟きながらリーアを見れば、リーアもそれを自覚しているのか焼き鳥の串を手に取り頬張ると嬉しそうに顔を綻ばせる。


「なあ、そろそろいい頃合いだと思うんだが?」

「ん~そうですね。では、その前にお聞きしますが、ガルちゃんはなぜヒロさんを気に入りましたのでしょう」

「は? それを今更気にするか?」

「はい。私が言うのもなんですが、ヒロさんは正直言って、平均……いえ、それはちょっと言い過ぎかもしれませんが、整っている方ではありません」

「あ~それな。まあ、それはそうだが、味があるってもんだろ」

「そうですね。そういう言い方もあるかも知れませんが、出会って一日……いえ、数時間も経たないのに何故か私はヒロさんと添い遂げるんだと思いました。ガルちゃんはどうでしたか?」

「お! お前もだったか。実は俺もだ。なんだろうな。確かにお前が言うように顔もスタイルもそれほど他の男に勝っているとは言えない。だが、そうだな。俺も何故だか分からないが瞬間に『コイツだ!』と確信したな。なんでだ?」

「ほら、不思議でしょ!」

「まあな。だが、確かに不思議とは思うがイヤじゃない。むしろ、段々といい感じだ。ま、お前がムリなら俺に任せてここで引っ込んでればいいさ」

「誰がムリだと言いましたか!」

「は? イヤ、今の話の流れだと……てっきり、そうなのかと思ったのだが……違うのか?」

「違います! 真似されたと思われるのはイヤですが、私もガルちゃんと同じでイヤどころか愛しさは微増しています」

「微増かよ」

「ええ、ですから、今日のことは自分でも驚いています」

「今日のこと? あ! そうだよ、お前アイツに何をしようとしていたんだ!」

「何って言うならナニでしょうか」

「は?」

「ま、ガルちゃんの横入りで未遂に終わりましたが、それでも自分があんな風になるなんて今でも信じられません」


 今日、リーアがヒロに何をしようとしたのかはぷぅを通じてちょっとだけ知ってはいるが、今ガルディアの目の前で頬を赤らめ恥ずかしそうにしているリーアがナニをしようとしていたと聞き、呆れつつも先を越された怒りもあったが興味はさっきリーアが言った「あんな風になるなんて」が耳に残り続けている。


 ガルディアはゴクッとツバを呑み込むと「あんな風ってどんな風なんだ?」と直にリーアにぶつけるとリーアは赤くなった顔を上げ「絶対に秘密にして下さいね」とガルディアに念を推しガルディアもそれに黙って頷くと「実は」とリーアが話し出す。


 リーアが話してくれた後、ガルディは「ウソだね」と軽く突っぱねる。


 するとリーアは直ぐに「ウソじゃありません!」と反論する。


「いやいやいや、だってよお漏らしじゃなければなんだよ! そんなの俺は聞いたことないぞ」

「それは……ガルちゃんがモノを知らなすぎるだけです!」

「お! なんだ、ケンカ売ってるのか?」

「だから、なんでそう短絡的なんですか。ハァ~もういいです。これを読めば少しは理解出来るでしょう。はい、どうぞ」

「ん? なんだこりゃ?」

「レディコミです」

「は?」


 リーアはどこかからか、取りだしたモノをガルディアに渡すと「汚さないで下さいね」と言う。


 ガルディアは渡されたモノを見て絵が描かれている上質な紙束であることは確認出来たが、それがなんなのかは理解出来ていない。


 リーアに説明を頼むと(まれびと)が持ち込んだ物の一つでレディコミだと答え、読めば、さっきのリーアの話は分かるハズだとだけ言う。


「……まあ、いい。読めばいいんだな」

「ええ、読み切ることが出来れば……ですけどね」

「は? お前な、俺をバカにしているのか! 俺だってな、(まれびと)達の文字くらいはもうマスターしているんだからな。待ってろ!」

「うふふ、文字だけならですね」


 リーアの思わせぶりな言葉を気にすることなく表紙を捲ると同時に雑誌を思いっ切り伏せる。


「もう、大事にして下さいとお願いしましたよね」

「な、なんなんだよ、コレ!」

「はい?」

「だから、なんなんだよ!」

「あら、ガルちゃんには少し刺激が強すぎましたか?」

「くっ……バカにするな! こ、こんなの……」


 ガルちゃんは伏せた雑誌をもう一度、開くと恐る恐るといった感じで、少しずつ読み進める。


 読む度に「え?」「あ?」「ウソだろ」と呟く声が漏れ聞こえるが、リーアはそんなガルディアの様子に「私も最初はああだったんでしょうか」とワイングラスを片手に感慨に耽る。


最後まで読んで下さりありがとうございます。


おもしろい!

続きはどうなの!

応援してあげてもよくてよ!


と、思ってくれた方。

恥ずかしがらずに下にある☆を★にしてみませんか?


★は★★★★★までありますから好きなだけどうぞ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ