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突然だけど、空間魔法を頼りに生き延びます  作者: ももがぶ
第3章 ただいま、放浪中
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第27話 残念ですが

「そうだ! ちょっと残念な顔をしているが、俺の旦那「ちょっと!」……あぁ、まあ旦那になる予定のヒロだ。よろしくな」

「誰が残念な顔だ! っと、ヒロです。(まれびと)をやっています。よろしくお願いします」

「あ……お、おう、こちらこそ……っていうかホント残念「あんた!」な……おっと、失礼。ですが、ホントにガルディア様と?」

「あんた、いくらガル様のこととは言え、私達が口を出すべきことじゃないでしょ」

「いや、お前な。そうは言うがよ。あのガルディア様だぞ。今までどこにも男の影すらなかったあの方が予定とは言えだな。旦那と呼ぶ人を連れて来たんだ。例え、その方が残念な顔だったとしても気になるだろ」

「それはそうだけど……あ、申し遅れました。私はこの……ろくでなしの妻でサリアと申します。以後、よろしくお願いします」

「あ、これはご丁寧にどうも」


 ガルちゃんが俺を雑に紹介したところで、デュダの後ろから似たような体型だが髭がなく、その長い髪を後ろで束ねて三つ編みにしているから恐らく女性かなと思っていたら、その女性はデュダの妻のサリアと名乗った。


「まあ、ヒロの顔のことは横に置いておいてだ。今日はお前達に報告と相談に来た」

「報告と相談ですか?」

「ああ、そうだ。だからな、ちょっと面倒だが人を集めてくれないか」

「分かりました。そう言うことでしたら、直ぐに集めますので先に集会場でお待ち下さい」

「ああ、分かった。行くぞ」

「分かったよ」

「おい、どこへ行くつもりだ?」

「え? どこって……集会場に行くんでしょ。なら、一回外に出ないとダメなんじゃ?」

「違う」

「はい?」


 デュダがガルちゃんに集会場で待つ様にと言い、ガルちゃんもそれを了承し行くぞと言ったので俺達は踵を返し玄関の方に向かうとガルちゃんが不思議そうに何処へ行くと聞いて来たので、俺は集会場へ行くのだからと外に出るつもりだと言えば、違うと言う。


「まあ、初めての場所だから分からないのもしょうがないか。こっちだ」

「へ?」


 ガルちゃんは外に出ようとする俺達を止めると家の奥へと案内する。


 サリアさんも「狭いし、低いですから気を付けて」とガルちゃんと並んで俺達を案内する。


「ここから、降りたところに集会場があるんだ。中腰にならないと通れないからな。頭に気を付けろよ」

「うわぁ、ホント低いや」

「ホントですね」

「でも、横には広いんですね」

「そりゃ、あんた。ほぼほぼ皆が私達の様な体型だからね。ふふふ」

「なるほど!」

「……なんか、納得されるのも乙女心が傷付くんですけど」


 中腰になりながら地下へと続く階段を降りると、そこは広い空間になっていて、少しどころか結構お酒臭い為、思わず鼻を抑える。


「ふふふ、慣れない人にはちょっとキツイでしょうが、我慢して下さいね。直ぐに慣れると思いますから」

「まあ、嫌いな臭いじゃないけど、これだけ濃厚だとちょっと……ね」


 そう言いながら、少し薄暗い空間に目が慣れて来るとあちらこちらでジョッキを片手に文字通りお酒を浴びるように呑んでいるドワーフの人達がいた。


「ハァハァ……あぁ! やっぱり、ここか。ったく、何のために走り回ったのか……」

「あんた、お疲れさん」

「おう、ありがとうよ。まあ、少し落ち着いて考えてみれば分かることだよな」

「そうだよ。だから、普段から私もガル様も少し落ち着きなさいって言っているでしょう」

「だな。と、言う訳でガルディア様、どうやら皆、ここに集まっているようです」

「ああ、分かった。ありがとうな」


 息を切らしながら集会場へと飛び込んできたデュダが回りを見渡し、他のドワーフに声を掛けるために走り回ったのに誰もいなかったので、もしかしたらと集会場の中に設けられている簡易的なバーに走り寄れば、サリアさんがデュダにジョッキを渡し労う。


 そして、デュダはそれを一気に煽ると「プハァ!」と思わず漏らしガルちゃんに集めましたと報告するが……いや、あんたはムダに走り回っていただけでしょと思わずツッコみたくなるのを我慢しながらガルちゃんの反応を待つ。


「じゃ、始めるか」とガルちゃんがパンパンと手を叩きこの場にいるドワーフの耳目を集めると「お、ガルディア様だ」「ホントだ」と言う声が聞こえ皆がゾロゾロとガルちゃんの回りに集まってくる。


「ガルディア様、お久しぶりですな。で、今日はどうしましたか? まさか、もう供物の酒が尽きましたかな」

「いやいやいや、いくらガル様でもそれはないだろ」

「それはどうだろうな。だってガルディア様だぞ」

「待て! 勝手に話を進めるな!」


 ガルちゃんがドワーフの皆を集めた理由を発表する前にドワーフ達の間で次々と憶測が……と、言うかほぼほぼ皆が供物として捧げたお酒のお代わりを要求してきたのだろうと話を進める。


 ガルちゃんはそうじゃないと勝手に話が進んでいくのを慌てて止めると実はと話し出す。


「漸くですか」

「しかし、出来ればワシらから選んで欲しかったの」

「まあ、ワシらはガル様の眷属という立場じゃからの。それも難しかろうて。それにの……この体型じゃな」

「「「確かに!」」」


最後まで読んで下さりありがとうございます。


おもしろい!

続きはどうなの!

応援してあげてもよくてよ!


と、思ってくれた方。

恥ずかしがらずに下にある☆を★にしてみませんか?


★は★★★★★までありますから好きなだけどうぞ!

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