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突然だけど、空間魔法を頼りに生き延びます  作者: ももがぶ
第3章 ただいま、放浪中
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第25話 自分の領域内では最強説

 ここでこれ以上考えても何も変わらないと悟った俺はハァ~と嘆息しながら「行きますよ」と皆に伝えれば、リーアさん、ガルちゃん、オジーが俺の周りに集まった。


「じゃ、行きます……はい、着きました」

「あら、もう着いたんですね」

「着いたって……ああ、俺のところか」

「ん~旅の情緒も何もないですね」

「オジー、情緒を感じたいなら別にオジーだけ徒歩や馬車でもいいんだよ」

「あ、いえ。そんなつもりでは……」

「まあ、オジーの言うことも分からなくはないですが、確かに出鱈目ですよね」

「だな。こればっかりは守人の俺達にもムリだな」

「ん?」


 俺はリーアさんとガルちゃんの言葉に引っ掛かりを覚えた。と、言うのも世界樹の枝に降り立った際に気付けば二人とも俺達の側にいたからだ。


 枝の上に降りる前に其処に誰もいないのは確認したし、勿論下からも上からも人が来た気配は全然しなかった。ってことは、リーアさん達が気配を消すのが上手いのか何処かから転移して来たとしか思えないからだ。


「ヒロさん、どうしました? そんな難しい顔は似合いませんよ」

「だな。お前はニヤニヤかヘラヘラしているくらいがちょうどいい。ムリに気取る必要はないぞ」

「ヒロ様、私も同感です」

「そんな……オジーまで……」


 リーアさん達のナゼナニを考えていたら似合わないと言われ、ちょっと落ち込むが今はそれどころじゃない。


「リーアさん、ガルちゃん質問なんですがいいですか?」

「はい、いいですよ。私は未経験なのでよろしくお願いします」

「おう、それなら俺もだ。初めては……ホントに痛いのか?」

「えっと、聞きたいことはそれじゃないんですが……参考にしますね。ありがとうございます。じゃなくてですね……」


 俺はリーアさん達の答をちゃんと記憶してから、聞きたいことはソレじゃないと、改めてどうやって俺達が降りた枝まで来たのかと質問すると「そんなことですか」とつまらなそうに言う。


「いや、そんなことって言いますけど、俺としては気になるんですよ。だって、何処にも人の姿どころか気配もなかったのにいきなり現れたでしょ。なのに俺の転移を珍しがるし……だから、どういう方法で俺達の側に現れたのか教えて下さい」

「ふぅ、そんな畏まって言われるほどのことでもないのですが……」

「だよな。多分だが、俺もリーアも同じことが出来るハズだぞ。但し、それが別の世界樹で同じ事が出来るかどうかまでは分からないがな」

「え? どゆこと?」

「ふふふ、ではヒロさんの疑問にお答えしましょう。ガルちゃんは違うところがあったら補足をお願いします」

「おう、いいぞ」

「では……」


 そう言ってリーアさんが説明してくれたのは凄く単純なことで守人としてはそれがなければ管理するのは難しいだろうというものだった。


「え~と、要は守人であれば担当する世界樹のどんな場所へも一瞬で行けるし、世界樹で何かあればそれを関知することが出来る……と、そういうことで合ってますか?」

「そうですね。ただ、ガルちゃんが気にしていたように他の世界樹でもそれが出来るかどうかは不明ですが」

「なら、今試して見ればいいじゃねえか」

「あ! それもそうですね。では、早速……ん~どうやらムリな様ですね」

「ほぉ~俺の世界樹ではリーアがムリなら、今度は俺がリーアの世界樹で出来るかどうかだな。じゃ、やってくれ!」

「え? イヤだよ」

「は? 何言ってんだ! 大事なことだろうが!」

「そうかも知れないけど、別に今じゃなくてもいいよね」

「ちっ、そうかよ!」

「そんなことより、下に降りて説明してよ」

「分かったよ!」


 リーアさんがムリだと分かったら、今度はリーアさんの世界樹でガルちゃんが試す番だと俺に転移しろと言ってくるが、俺は今じゃないとそれを断りガルちゃんに里の説明をしてくれとお願いすれば、ガルちゃんは面白くなさそうにサッと下へと降りた。


「行っちゃったね」

「行っちゃいましたね。では、私達も行きましょうか。はい!」

「え?」

「だって、私はここでは何も出来ませんからお願いしますね」

「いや、まあそうだけど……別にお姫様抱っこする必要はないですよね? そのまま立って移動すればいいだけだし」

「ふぅ~まあ、そうですけど……」


 リーアさんは俺に対し両腕を差し出し何かを期待しているようだけど、俺がお姫様抱っこなんてしませんよと言えば少し不貞腐れた様子で俺が用意した結界の上へと進み、俺とオジーもそろりそろりと結界の上に移動したところでゆっくりと降下する。


「うわっぷ! 砂埃が……」

「ちょっと呼吸がしづらいですね」

「ちょっと待ってて。よし、これでどうかな?」


 オジーと俺は砂埃で目を開けるのも難しいと感じたが、リーアさんは涼しい顔をしていたのを不思議に思いながらも俺達の周りに結界を張り、砂埃から身を守る。


「これでだいぶ楽になったね。でも、リーアさんはなんで平気なの?」

「ふふふ、何も不思議なことじゃありませんよ。少しだけ自分の周りに空気の層を作るだけですから。ヒロさんと同じことですよ」

「へぇ」

「ヒロ様、リーア様はエルフなので魔法は得意なのですよ」

「あ、それもそうだね」


 リーアさんが砂埃を気にしないのは分かったけど、ガルちゃんはどうやっているんだろうと気になる。


 リーアさんはエルフでガルちゃんはドワーフだ。俺の認識ではドワーフは魔法がそんなに得意じゃなかったハズ……だ。


 そして先を歩くガルちゃんを見ると……「あ、そういうこと」と納得してしまった。


最後まで読んで下さりありがとうございます。


おもしろい!

続きはどうなの!

応援してあげてもよくてよ!


と、思ってくれた方。

恥ずかしがらずに下にある☆を★にしてみませんか?


★は★★★★★までありますから好きなだけどうぞ!

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