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狩猟大会*七*回想

不愉快な気持ちのまま離宮から戻り、自室のベッドに大の字で寝転がっている。 気持ちが高ぶって、どうにも寝付けない。


前もってテルセオから説明は受けていたが、かなりの衝撃だった。

聞くのと、見るのとでは、全く違う。

あの女の得意気な表情(かお)。思い出すだけで腹が立つ。


(早くあの女との仕事が、終わればいいのに)

クッションをギュッと抱きしめた。


―――あの現場を、パウラも目撃していた。 怒った彼女は、エマの父親に抗議しに行ったが、逆に諭されてしまった。

「男の仕事に私情を挟むな」

納得出来ないパウラだったが、確かに「報告していた」と、女性騎士は言っていた。

「それに、夜会で腕は組むだろ?」

そう言って、エマの父親は、取り合わなかった。


……そうなのだ。あの女性騎士のこれ見よがしな態度が気に障るのだ。 感情論だ。


そして、その後もあの女性騎士……セシリアが名前を聞いてたな……。



―――エマとパウラが、エマの父親に軽くあしらわれ、何かモヤモヤしたものを抱えながらいた、ちょうどその時、サラがレオナルド王子に呼ばれていた。


「ルーカスをからかうチャンスだわ」

セシリアが、ツツツッとサラに近寄り、さりげなく同行した。


王族が並んで腰かけている壇上の、その陰にルーカスが控えていた。

親しげに顔を寄せ合い話すサラとレオナルド殿下を、生暖かく見ていたセシリアは、そっとルーカスに近寄り、囁いた。


「エマが、やたら不機嫌なんだけど。 テルセオはどこ?」

「巡回か報告だと思うけど」

ぶっきらぼうに答える。

「抱き合ってたらしいわよ」

セシリアは、少し話を盛った。


チラッとセシリアを見た彼は、ため息まじりに告白した。

「グロリア・クルーズだろ? 最近、やたらとチョッカイかけてくるんだよ」

「あら、ルーカスにも?」

「違う。テルセオにだよ。()()から奪い取れると思ってるみたいで……どこに、そんな自信があるんだか?」

明らかに嫌悪感が滲み出ていた。

「まぁ、()()が、護衛やら何やらと親しげにしてりゃ、勘違いするか……」


……まるで、エマの()()みたいな事を言っていた。と、セシリアが憤慨していた。



私の態度が悪いのかしら? パブロと近しいかしら? テオドロスとも……。 わからないわね。 明日、パウラに聞いてみよう。


それにしても、あの女、グロリア・クルーズ。 絶対に許さないから。 全て演技だったと知らされた時、どんな顔になるのかしら?


その場面を想像すると、少し気分が晴れた。

明日の午前中は、楽しみにしている騎射がある。 テルセオと揃えた乗馬服もある。


テルセオに花輪を渡さないと……。


エマの瞼が重くなり、抱え込んでいたクッションが、ゆっくりとベッドから落ちていった。


18時

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