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1 日常
「なんでこんなことも出来ないのよ。」
バシッ
今日もお母様の怒鳴り声と私の背中に振り落とされた鞭の音が響く。もう何年もこんなことが続き、痛いのかどうかも分からなくなってしまった。
「どうして何も答えないのよ。そんな目で私を見るな。気持ちが悪いわ。」
バシッ
また鞭の音が響く。
話しても話さなくてもどうせ怒鳴られ、鞭を振るわれるのなら話さない方がマシだ。話す内容を考えることすら億劫で何もしたくない。
「本当にあなたは失敗作だわ。どうしてお前みたいな子を産んでしまったのかしら。」
バシッ
「さっさと謝りなさい。何もできなくてすみません。こんなふうに生まれてすみません。って」
「生まれてきてすみません、何も出来ない役立たずですみませんお母様。」
「お母様と呼ぶな。」
バシッ
また叩かれた。やっぱり話しても話さなくても叩かれるのだ。
そうしてまた何度か鞭をふるったあと満足したのかお母様は出ていった。