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羊さん、召喚します!

羊召喚と聞いて最初に思い浮かべたのは、黒曜だった。犬神様の眷属で神獣である黒曜。もしかしたらこのスキルで神域から召喚してるってことになるのかなって。

でも違うと聞いて安心したよ。MP不足とかなにかで1人にされちゃったらさすがに心細いものね。黒曜は使い魔的存在で突然居なくなることはないそうだ。よかった!


「とにかく呼べばわかる。主人の世界の言葉で百聞は一見にしかずというのがあったろう?つまりあれだ。」


なるほどわかりやすい。じゃあ呼んでみますか!

ここはゴールデンなロードショーから、夏休みといえばこれって感じの麦わら帽子の女の子風に。


「羊さん羊さん、出ておいで〜?」


キラキラのエフェクトが出てきた。うん、すっごく眩しい。直視したら目がぁ〜ってなるからもちろん手をかざしたよ!


『キュイ。』


きゅい?メェーじゃないんだ、なんか違和感のある鳴き声だな。あとすごいぬいぐるみっぽい見た目してるね。で、なんでおにぎり持って現れたのかな??

羊さんは私の足元にいる。大きさは50センチくらいで、その身体の上にはおにぎりが2つと卵焼きとタコさんウィンナーが。ご丁寧に紙箱に入っているところがなんだかお弁当っぽい。ちゃんと紙フォークも付いている。


「主人よ、神域では時間という概念がない故に喉も乾かず腹も減らないが、ここはもう地上なのだ。そろそろ空腹だろう?」

「え?あ、そうだね、あの湖の水を飲んでからなんにも口にしてなかったし」

「だからだ。」


だからだって何がだ。あ、おにぎり?私がお腹減ってたからごはん持ってきてくれたの?

つまりはデリバリーシープ…はは、面白いスキルだなぁ。現実だけど現実じゃないからオールOKー。


『キュイ!』

「あ、ありがとう!」


一生懸命背中のご飯を主張する羊さんからお弁当を受け取る。出来立てなのかとても温かい。2つあるからこっちは黒曜の分かな?


「黒曜、せっかくだからあったかいうちに食べよ!」

「うむ。いただこう。」


湖の側の手頃な石に腰掛けてさっそくおにぎりを手に取る。こんな景色のいい場所でお弁当なんて、なんだかピクニックにでも来た気分。おにぎりの中身は梅干しとツナマヨでした。おいしいー!

デリバリーしてくれた羊さんは私の膝の上で大人しくしてる。ぬいぐるみ感もあってクッションのようだ。


「ごちそうさまでした。ありがとね、おいしかったよー!」

「うむ、これはうまい。ご馳走になったな。」


そういって羊さんを見ると、おにぎりが入っていた紙箱をもしゃもしゃしていた。


「ええっ!?ちょっ待っっあああああ!!」


するんと食べちゃったよ!素早いな!?

あれ、でも羊って紙食べるんだっけ?こういうもの?


『キュイキュイー!』


またキラキラと輝いて消えていく羊さん。突っ込み疲れてきた。ゴミが出なくてよかったと思うべきかな?すると羊さんが食べられるように全部紙で出来てるわけか。ヨクデキタスキルダナー。

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