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外に出ると、綺麗な花が咲いている庭に通された。
ユーリの父でありこの国の王でもある、リチャード・フレムと、ユーリの母であり王妃であるシャルロット・フレムがレイラの目の前に座っていた。
王達も外に出て、お茶会が始まるんだと思っていたレイラだったが、目の前の光景に戸惑っていた。
目の前には、パーティーの時や式典の時などでは見たこと無いような表情をしているリチャードが居たのだ。
いつものリチャードは、賢く聡明な王だと言われている。
だが、レイラの目の前にいるリチャードの目尻は下がっており、シャルロットの方を向きながら二人で楽しそうにしている。
いつも見ている王の姿と違い、レイラは戸惑いを隠せなかった。
ユーリはそんなレイラに気づいたのか、レイラの耳元で言葉を呟いた。
「初めて見たからびっくりしただろう? 母上達は、二人きりになるといつもこうなんだ。」
「先程もそうでしたが、陛下のあんな表情を初めて見たのでびっくりしてしまいました」
(一部の貴族達の間では、お二人は恋愛をして結婚をしたのではないから、仲が悪いのではないかと噂をされている……。先ほどもそうだったけれど、このお二人を見たらそんな噂なんて馬鹿馬鹿しくなるわね……。)
シャルロットに果物を食べさせていたリチャードが、ちらりとレイラに視線を送る。
「……噂の事かい?」
「……っ!! ご存知だったのですね」
「あぁ、従者がそんな事を言っていたのを思い出したよ。まぁ、シャルを不安にさせる噂であれば揉み消すが……そうでないなら、しょせん嘘の噂だ。気にしていたら、大変だろう?」
リチャードは、噂をしていた貴族達に対してなのか呆れる様な表情で笑った。
「そうね。私は、貴方様に愛人が居るとかだったら離縁しますわ」
「あるわけないだろう!」
「ふふっ、分かっていますよ。」
焦った様な表情のリチャードを見て、シャルロットは楽しそうにクスクスと笑っている。
「……仲が良くて羨ましいですわ」
ポツリと、レイラが呟いたと同時にユーリはレイラを自分の膝の上に座らした。
「ユ、ユーリ様!? お、下ろしてくださいませ!!」
「何故だい?」
「な、何故って! 人が居るのに、そんなの恥ずかしいですわ!」
レイラが慌てているのを見て、ユーリは意地悪そうに微笑んでいる。
「父上達は、そんな事別に気にしていないみたいだよ?」
レイラが前を見ると、リチャードはこちらを気にしておらずシャルロットに夢中だ。シャルロットはというと、レイラの視線に気づくと微笑んだ。
「レイラさん、この人達に何言ってもだめよ。諦めなさい」
「ね? だから、レイラも私に愛されなさい」
「あ……あうっ……。」
リチャードで経験したシャルロットが、悟ったような表情をした。
レイラはと言うと、ユーリの直言葉を聞き。どもってしまった。レイラも、シャルロットと同じようにユーリに果物を食べさせてもらったりした。
その間、レイラとシャルロットのお喋りしていた。だが、王であるリチャードの膝の上には王妃であるシャルロット。王子であるユーリの膝の上には、レイラが座っているという異様な光景だった。
その後、レイラとシャルロットはやっと膝の上から下ろしてもらい。二人で楽しくお喋りをしていた。
その間、リチャードとユーリの二人の間では親子間の会話はなかった。二人とも静かに紅茶を飲んでいたのだった……。
レイラとシャルロットの話は盛り上がり、リチャード達に声を掛けられるまでお喋りは続いていた。
「レイラさん楽しかったわ。またお喋りしましょ?」
「はい! ぜひ!」
「ふふっ。……ユーリ、こんな良い子を逃しちゃだめよ?」
「大丈夫です、母上。逃がすなんて、するはずありませんから。例えレイラが逃げても、また好きになってもらえるようにしますよ」
ユーリの言葉を聞き、レイラの頬は熱くなった。
「さて、レイラ。送るよ」
「はい。……陛下、王妃様、この度は楽しい時間をありがとうございました。」
レイラはそう言うと、ドレスを摘まみ。カーテシーをする。
「……シャルロットと呼んで?」
「えっ!? ……シャ、シャルロット様」
「えぇ。レイラさん、気をつけて帰ってね?」
「ありがとうございます。」
シャルロットは、誰もが見とれるような女神の様な笑みで微笑んだ。
レイラも例外ではなく、シャルロットの笑みに見とれてしまった。
「……シャル、行こうか。では、レイラ嬢気をつけて帰っておくれ」
「えぇ、そうね。では、また会いましょう」
シャルロットは、リチャードの手をとると去っていってしまった。
(最初は緊張していたけれど、シャルロット様とお話できてとても楽しかったわ……。)
「レイラ、楽しかったかい?」
「はい!」
「そうか、それは良かった。さて、そろそろ帰ろうか。屋敷まで送るよ」
ユーリはそう言うと、エスコートしてくれるのかレイラの方に手を差し出した。
レイラがユーリの手をとると、ユーリはレイラの歩くスピードに合わせてゆっくりと歩いてくれたのだった……。




