表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/30

25

その後、授業が始まるという事でレイラはユーリから離れられた。

だが、ユーリは別れ際。「……逃がさないからね?」とレイラに言い残し、自分の席へと戻って行った。

ユーリのそんな言葉を聞き、レイラは心の中で焦っていた。


(どうしよう、ユーリ様にバレてしまったわ……。)


授業中なのに、全然内容が頭に入ってこない。

本当の事を言ってしまったら、ユーリに変な子だと思われないだろうか。嫌われないだろうか。変な目で見られるんじゃないだろうか。と、そんな心配ばかりしてしまう。

前までは、自分自身婚約破棄した後。

のんびりと暮らせれる様に、ユーリとあまり関わらないでおこうと思っていた。だが、いつの間にかレイラはユーリに嫌われたり離れたりするのが嫌になっていた。


(物語と同じなら、ヒロインであるガーネット様とユーリ様が結ばれる……それが嫌だなんて……。)


そんな事を思っていても、どんどんと時間は過ぎていく……。

授業が終わり、ユーリにバレないようにこっそりと帰ろうとレイラは考えた。


(ヴィオラが待っている門の所まで走ればいいんだわ!)


今、ユーリと話し合いをしてしまったらこの気持ちをぶつけそうになる。


授業が終わったのか、生徒達が立ち上がる。

レイラがこっそりとユーリの方を見ると、生徒達に囲まれていた。


(今しかないわ……。)


ユーリが周りに居る令息や令嬢と話している間に、レイラはユーリに見つからない様に後ろから教室を出る。

端から見れば、レイラの動きは不審だった。

だが、そんな事も気にせずにユーリから離れる事だけをレイラは考えていた。


「レイラ様~!!」


ガーネットが、レイラの方に駆け寄ってくる。


「ガ、ガーネット様……。」


「レイラ様、一緒に帰りましょ?」


「いえ、ごめんなさい? 今日は、急いでいて……。」


「そうなんですか? ……じゃぁ、また一緒に帰りましょうね!」


レイラはそう言うと、ガーネットと別れた。

後ろでは、レイラに向かってガーネットが大きく両手を振りながらにこやかに笑っている。


レイラは、すれ違い生徒達に挨拶しながらも早歩きをし、ヴィオラが待つ門の所に向かう。

いつも、ヴィオラが待っていてくれている門が見えてきた。


ヴィオラは、誰かと話しているみたいだった。

相手は木に隠れていてこちらからは見えない。


(誰かしら? ヴィオラのお友達?)


友達だったら話の邪魔だろうかと、レイラは思ったが早く此処から離れないとユーリが追い付いてしまう。

そう思うと、レイラの歩みは早まった。


ヴィオラの元へと一歩。また一歩と近づいていく。

レイラがヴィオラに声を掛けようとしたが、ヴィオラの隣に居た人を見てレイラは固まった。


(何で……? 何で、ユーリ様が居るの? 先ほどまで、教室に居たはずじゃ?)


レイラは混乱していた。

さっきまで、教室に居たであろうユーリが何故かヴィオラの隣に立っているのだ。


二人は、驚愕したような表情で立ち尽くしているレイラに気づく。

ヴィオラはレイラが固まっているのを見て、訝しげに首を傾げている。

ユーリは、レイラを見ながら目を細めて微笑んでいるだけだった。


「お嬢様? そんな所で何をしているんですか?」


「……何でも無いわ。さぁ、ヴィオラ帰りましょう。ユーリ様、お先に失礼致します」


「えっ? 今日は、殿下と一緒に帰られるんじゃないんですか?」


「えっ!?」


「そうだよ、レイラ。約束したのに忘れたのかい?」


レイラがヴィオラの言葉に驚いていると、ユーリはレイラの腰に手を当て自分の方に引き寄せた。


ユーリは、レイラが逃げることを見越して先回りをしていたのだ。

レイラはそんな事も知らず、いつの間にそんな話になっているのかと混乱していた。


「では、お嬢様。お先に失礼致します」


「えっ!? ヴィオラは一緒に来ないの?」


「はい。殿下の従者の方も居ますし、お城でしたら警備もしっかりしているので大丈夫だと思います。それに、私は仕事がまだ残っているので……。」


(……私、いつの間にユーリ様の家でもある。お城に向かう事になったの?)


ヴィオラは二人に頭を下げると、そそくさと帰っていってしまった。


「さぁ、レイラ。行こうか」


「あ、あの……ユーリ様!!」



「レイラ。これまで僕はレイラが話してくれるのを待っていたんだよ? でも、僕から離れる様なら待つのはやめるよ?」


ユーリの目の奥が笑っていない。

レイラはユーリから一歩離れる。


ユーリはレイラを逃がさまいと、一歩。また一歩近づいてくる。


(……どうしよう。ユーリ様が怖い)


オロオロした表情をしているレイラの方に、ユーリは一気に近づいていく。

レイラの側まで一気に近づくと、レイラの腰に手を回し。自分の方に引き寄せる。


「……ユ、ユーリ様」


「レイラ、行こうか」


ユーリはレイラの手を引きながら、ユーリが乗って来た馬車へと誘う。

馬車の前では、ユーリの従者が立っている。


従者の人は、二人が近づいて来たのを確認すると馬車の扉を開ける。


「レイラ乗って?」


(もう、逃げられない……。覚悟を決めないといけなかもしれない。)


レイラは覚悟を決め、ユーリに導かれるまま馬車へと乗り込んだ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ