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あの後、ユーリの従者が人だかりが出来てきたのもあるが二人が馬車から出て来ない事を疑問に思い。周りに人が集まって来たから移動した方が良いのではないかと声を掛けてくれたので、レイラ達はその場から移動することにした。
ユーリの従者に声をかけられなかったら、ずっとユーリに抱き締められたままだったと、レイラは思った。
それぐらい、ユーリはレイラを逃がさないと言うようにきつく抱き締めていたのだ。
ヴィオラとは、門の所で別れる。
ユーリに手を引かれ、レイラは自分のクラスへと着いた。教室に入ると、この国の王子とその婚約者と言うのもあり注目される。
レイラのクラスは、ユーリと一緒だった。それも、席もユーリと隣。
だが、一つ物語の中と違う所をあげるならユーリとレイラの席が隣という事だった。
物語の中では、端と端ぐらいの席の距離があった。だが、レイラは席ぐらい物語と違ってもしょうがないかと思っていた。だが、この席もユーリが教師を脅……説得をして決まったとはレイラは知るはずもなかった……。
(ユーリ様と隣の席なのは嬉しいけれど、今は皆の視線が刺さって気まずいわ……。それに、何故私はユーリ様のお膝の上に乗っているのかしら?)
レイラが席に座ろうとした瞬間。何故か、レイラはユーリに手を引っ張られ。ユーリの膝の上に座っていたのだ。
「ユ、ユーリ様!? 離して下さいませ! 」
レイラは動揺をしてしまい、大きな声が出てしまった。
周りに居た、クラスの人達からの視線が刺さる。
「なんで? レイラとは、久々に会うんだからもう少し堪能させてはくれないかい?」
「でも、もうすぐ先生も来られてしまいますし。席に……。」
「大丈夫。先生が来られるまでの間だよ? 先生が来られたら離れるから……ねっ?」
(何が大丈夫なんですか~!? 私の心臓は大丈夫ではありませんわ!! それに、ねっ? って首を傾げながら言うのは反則です!! 断れないと分かってるくせに……。)
拗ねたように頬を膨らませたレイラを、ユーリは目を細めながらレイラの頬をつつく。
ユーリが何かを思い出した様に、レイラの顔を覗きこむ。
「そういえば、ヴィオラに話があるから終わったらヴィオラを少し借りてもいいかい?」
「えっ!? ハイ!大丈夫ですよ? ヴィオラには、言っときますね?」
(いつの間に、ヴィオラとユーリ様仲良くなったのかしら?)
レイラは、ユーリとヴィオラが仲良くなった事が嬉しかった。だが、ユーリの目が笑っていなかった。それに気づかなかったレイラは、了承をしてしまうのだった。
「帰りは大丈夫かい?」
「えぇ。私は構いませんよ? 帰りは、迎えの馬車がきますし」
「ありがとう。じゃぁ、少しヴィオラを借りるよ。」
「ねぇ、レイラ。お昼は一緒に食べようか?」
「えっ!? はい。」
いきなり、ユーリからのお昼のお誘いでびっくりしてしまい。レイラは声が裏返って、つい了承をしてしまった。ユーリを避けると、決意していたレイラは了承した事を取り消そうとユーリの方を見る。だが、ユーリは微笑みながらレイラを見ていた。
(なんでかしら、ユーリ様のお誘いを断ったらいけないと本能が言っているわ? ユーリ様、いつもの優しい笑顔のはずなのに……。)
「嬉しいな~。久々に、レイラとお昼が食べれるんだから。」
「……そうですわね。」
(気のせい……よね?)
レイラがそんな事を思っていると、教室の扉が開き。可愛らしい容姿の一人の女子が入ってきた。
(あら? あの子何処かで見たことあるような……。そう、ガーネット様!! やはり、ガーネット様凄く可愛くなってらっしゃるわ。)
やはり、ガーネットとは同じクラスだった。
ガーネットはこちらに気づくと、長い髪を揺らしながら嬉しそうに小走りで近づいてくる。
(そういえば、この光景。物語でもあったわね……。)
ガーネットが嬉しそうに近づいてくるのを見て、レイラは思い出した。
ガーネットは、学園に入学したユーリと同じクラスだった。その事が嬉しくてユーリに声をかけた所、それを見ていたレイラが怒り。そこからガーネットは、レイラに苛められてしまうのだ。
(でも、大丈夫よ。記憶を取り戻した私は、そんな事では怒らないから最初のフラグは折れるはずだわ……。さぁ、ガーネット様。来なさい!)
そんな事をレイラが思っていると、ガーネットはレイラの前に立った。
「お久しぶりです! レイラ様!!」
「えっ!?」
(……何故!? 何で、ユーリ様に話しかけずに私に話しかけているの!?)
ガーネットを助けた時も、何故かレイラをキラキラとした瞳で見ていた事をレイラは思い出した。
肝心のユーリは、ニコニコとした表情でレイラ達を見ているし、ガーネットはキラキラとした瞳でレイラを見ている。
そんな二人に挟まれたレイラは、困惑していた。
(誰か助けて!! 何故、ヒロインであるガーネット様は私に話しかけてくるの!? 物語と違いすぎて、もう訳が分からないわ!!)
レイラは、心の中でそう叫んだのだった。




