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きよ子:(借りた傘を持ってきたけど...)
店長:わざわざありがとうございます、あいにくザキチャン休みでして...
きよ子:いえ、代わりに渡してください。
店長:優しい男でしょ。そんなあの子が結婚するなんて。全く驚かないよ。
きよ子:え...
店長:まさかご存じなかったんですか?てっきり伝えていたのかと。
きよ子:結婚かあ。いい人だもん。そりゃあ相手も見つかるよ。それでも、わたしが隣に居たかったな...なんて、つりあわないことだっ...っ...っ...
山崎:どうしたんですか?
きよ子:なんでもないですっ...(泣いてるとこ、知らない人に見られたくない。)
山崎:...僕でいいなら、話聞きますよ。
きよ子:ザキチャン...!
山崎:落ち着きましたか。
きよ子:はい...店長さんから聞きました。ご結婚おめでとうございます。
山崎:いえそんな、お客様が祝うことじゃ...
きよ子:わたし、ザキチャンが幸せになったことがホントに嬉しくて。さっきは、その、嬉し泣きというか...
山崎:やっぱり素敵な方ですね。他の方にも今日のこと伝えたら悲しかったのか泣き出す方もいて。素直に喜んでくれたのは、あなただけです。
きよ子:(本当は泣きたい、けど、我慢しないと。)
きよ子:(わたしの片思いは、静かに終わった。)