rain
突然雨が降りだした。そんな時...
突然雨が降りだした。そんな時...
きよ子:たぶん今日もお店にいる。昨日よりも話ができるといいな。それなのに、財布忘れた...はぁ
きよ子:あ、つい癖で店に来ちゃった。ごめんなさい、今日は立ち寄らずに帰ります!
きよ子:雨だ。傘持ってない...って酷くなってきた!とりあえず屋根があるとこに!
きよ子:ふぅ、えっと近くにコンビニ...
山崎:どうも、こんにちは。
きよ子:(っ!!ここ、お店の前だった...)
山崎:雨宿りにはいいですよ。この建物。冷えるのでなかに入りませんか?
きよ子:いえ...そういう訳には...今日、財布持ってなくて。
山崎:そうだったんですか。でしたら本日は特別にサービスいたしますよ。
きよ子:(珍しくお客さんがいない...わたしだけだ?!)
山崎:お待たせしました。ブランケットとこちらのホットミルクもお召し上がりください。
きよ子:ありがとうございます...
山崎:ココアのほうがよろしかったですか?
きよ子:いえ、お気遣いなく。
山崎:いつも頼まれるので、無いとご不満かなと。
きよ子:そんなことないですよ。気を使わせて申し訳ないです...
山崎:こちらこそ申し訳ないです。本日臨時休業でして、ココアが品切なんです。
きよ子:(だからお客さんがいないんだ。)すみません!お休みって知らなくて、もう帰りますから!
山崎:お待ち下さい、まだ休んでいてください。せめて、雨がおさまるまで。
きよ子:(ミルク飲み終わったけど、雨がやまない。)
山崎:あーおさまりそうに無いですね...あの、よろしければこの傘お使いください。
きよ子:えっこれはザキチャっお兄さんのじゃ...
山崎:僕の家近いので。それにまだ仕事がありますし。遠慮しないでください。あと"ザキチャン"で構いませんよ。名前が山崎だから、変な愛称付けられちゃって...恥ずかしいですけど。
きよ子:それなら、お言葉に甘えます...お邪魔しました。
きよ子:山崎さんって言うんだ。さりげなく聞けて嬉し。
きよ子:(どしゃ降りのなか、わたしは黒い傘をさして帰った)