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条件

 しかし、とんでもない好評ぶりだ。

 このレシピ自体、高級料亭で出されるような料理をネットのレシピを参考に作った事があって、その記憶を頼りに作っただけだ。

 でも、冷静に考えてみれば。

 高級料亭のレシピなんて、ネットが出来るまでは世に出なかった。

 そんなもののレシピを知ってる事の方が異常なのだ。

 それこそ、貴族や著名な武将が食べてきたような、高級料理なわけだ。

 言いかえれば、宮廷料理のようなものなんじゃないか?

 それをいきなり食べた彼らは、味の処理がオーバーフローを起こしてしまったらしい。

 震えながら旨い旨いを繰り返す存在になってしまった。

 今まで当たり前に食べてきたけど……日本料理の歴史深すぎてやべえ。

「わ、わしにも食わせてくれ」

 一人だけいた例の常連らしきおじいさんがあまりの狂乱ぶりに、興味津々な様子で近づいてきた。

「え、ええで。ほら」

「そ、そんなに旨いものかねえ……ふむ」

 心に保険をかけながら食べたおじいさんだったが――

「……嘘じゃろ……旨い……旨すぎる……」

 泣きだした。

 もうボロボロ泣いている。

 それから急に立ち上がると――

「近所の連中に知らせてくるぞい! これは食わんと死ねん!」

 すごい勢いで走り去ってしまった。

 そんなにか? そんなにか?

 正直、反応大きすぎて逆に怖いわ。

「ねーちゃん! この人と結婚しぃ!」

「せやせや! 毎日これ作ってもらお?」

 おい、何を言い出す双子よ。

「せ、せやな……」

 ダメだこの人、味に頭まわんなくなってる。

「ダメーっ! クロウはみんなのカントクなの!」

 一人叫んだのはブルーだ。

 ほっぺたを膨らませてぷんすかしている。

「せ、せやかて、この腕は惜しいでえ……カントクかも知れんが……間違いなく料理で天下とれるで。大儲けも夢やない」

「い、いや、レシピ覚えたら誰でもできるって……ん? 大儲け?」

「せや! これだけのモンを作れるのは、宮廷料理人くらいしかおらへん。食べたことあらへんけど」

 言ってる事が滅茶苦茶だが言いたい事はわかる。

「やりかた次第で、大儲けは絶対出来るで!」

「話を聞かせてくれ」

「お、何や乗り気やんけ」

 完全に目が商売人モードになってるヴァイオラ。

 そういうわけじゃないんだが、一つ思いついたことがある。

「ちょっと手伝うだけだ。あと、条件が一つだけある」

「条件?」

「ああ……それは――」

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