終結と目標
先制攻撃を成功させた俺は、次の目標に攻撃をしようとしていた。そして、アニエル達が追い付いてきた。作戦通りアニエルを守りながら戦う方針を執っていることを確認し、斬りかかってくるリザードマンを殴り体を貫いた。
リザードマンの持っていた剣をエンチャント魔法で、強化して次の敵へと斬りかかった。
しばらく戦って気付いたことが二点ある。
一つ、攻撃が単調で避けやすいということ。
二つ、殺したときモンスターは大概、呻き声等をあげるのだが、コイツらはそれが一度もない。
………おかしい。これじゃあ、まるでアンデットとかそういう類いの奴らだ。もしそうなら真面目に相手するのが面倒臭い。
………仕方ない裏技を使うか。その前に
『ヘスティア、ヘファイス、アニエルを連れて此処から離れろ。今すぐに』
敵の攻撃を避けながら避難するように言った。
『それではラミエルが………』
涙目になりながらアニエルが言ってきた。
………なんか勘違いしてないか?こいつ
『いや別に死のうなんて思ってないぞ?使う魔法が広範囲だから退けって言ってるだけだ』
そう説明するとアニエルは呆けた顔をして
『そ、そうなのですか、勘違いしていました』
『分かったならさっさと行け』
三人とも頷き撤退していった。
暫くして頃合いかと思った俺は確認のために
『パラライズレーダー展開』
三人の位置が十分な距離を取っていることを確認できた。それを合図に魔力を高め
『我の道を阻む者よ。その罪は重い。故に我は貴様らに鉄槌を下す。さらば死せる者達よ。
受けるがいい………ライトニングスパーク』
俺の魔力をそのまま雷に変え体外に放出する魔法だ。まぁ要するに感電させ死に至らしめる。
シンプルだがこれが物凄く強力だ。俺の電気の威力だと周囲の物が塵になるため、俺も殆ど使うことは無いのだが、アンデットを倒すなどかなり面倒臭いので使うことにしたのだが………
やはりというべきか死体どころか草木も塵になっていた。あぁ……やっぱりこうなったかと物凄く後悔している。まぁそんなことより終わったー
『………ふぅ久しぶりに疲れたー』
全滅させたことを確認したラミエルは、その場に腰を下ろした。
なにか忘れてる気がしないでもないが………
『…あっしまった死体ごと塵にしたら生け贄として使えないじゃねぇかよ』
折角倒したのに勿体ねぇ………まぁやっちまったもんは仕方ないからな。また狩ればいいだろ。
(おいバカか貴様は折角の魔物をなに塵にしてるんだ。前々からバカだとは思っていたがここまでとはな)
‥俺疲れてるのかな。なんか聞き覚えのある声がするんだが
(そりゃ聞いたことあるだろうよ。貴様の神だからな。もしかして貴様本当にバカになったのか?)
アジ・ダハーカ様なんですか?なんか俺に用ですか?ていうか念話つかえたんですか?
(私は、千の魔法が使えるのだぞ?念話なんぞ簡単に出来るわ。用件は貴様が死体を塵にしたからだ)
それならもっと先に言っといてくださいよ。そうすれば色々楽に出来たでしょう。
塵にしたのはアンデットみたいな死体だと、どうせアジ・ダハーカ様は気に入らないでしょ?
(まぁそうなんだがな………今は少しでも欲しかったっていうだけだ。念話のことを言わなかったのは雰囲気だ雰囲気)
やべぇうちの神様超我が儘どうしようも無いな。
(うるさいわ。そんなことより我が言いたかったのはだな。この一件神が関わっているということだ)
………へぇ神様かそいつは楽しみだ。なぁアジ・ダハーカ様。そいつ殺したら俺が喰っていいのか?
(………好きにしろ。ただちゃんと贄は寄越せよ‥)
分かってますよアジ・ダハーカ様
(‥あぁそれではな)
この世界では天災が起きその中心には神がいる。その神を倒さなければ天災は収まらない。
倒したものは英雄だなんだと敬わられる。
だが、俺はそんなものは要らない。俺は強くなるためだけに神を倒す。
これは、あまり知られていないが神を喰うと新しく魔法が使えるようになる。この世界は、一種類しか魔法が使えないようになっているので、神を喰って増やすしかないのだ。
そんなことを考えていると
『ラミエルー大丈夫でしたかー』
アニエルの声が聞こえてきた。