戦闘開始
屋敷を出て救援依頼があった方向に走ること10分。…そろそろか
『パラライズレーダー展開』
『あのラミエル様、今何したんですか?』
『あぁサーチ魔法ってやつだ』
すると、感心したのか頷きながらヘスティアが、
『やはり雷魔法って使い勝手が良いのですね』
『まぁ、そうだな』
しばらくすると、レーダーが反応した。
『レーダーが反応した。ちょっと集中するから待ってくれ。』
許可を取り集中を高めレーダーを分析し始める。結果は300…は?300とか冗談だろ……
『結果が出た。魔物の数は300』
『え?』
三人とも間抜けな声を発した。
魔物は多くて10ぐらいしか群れが作れない。
なぜか?それは多くなる前に誰かに狩られるからだ。それに魔物の社会と言うのは、基本弱肉強食だ。同じ種類の魔物以外は、獲物となるのだ。
つまり、徒党を組むことはあり得ない。それは物凄く歪なものだ。誰かが操ってる他ない。
しかも多分魔物ではなく、人間ではないか?と俺は考えている。が、そんなことをしてもメリットはあまりないから考えにくい。犯人の可能性を考えていると、一番最初に正気に戻ったヘスティアが、
『さ、300ですか?何かの間違いでは?』
まぁ、そう思うよなぁ本当冗談ならよかったのにな……
『残念ながら間違いではない。まぁやるしかないなら作戦をたてるぞ』
『は、はい』
『ヘスティアとヘファイスは、アニエルを守りながら戦ってくれ。俺は群れに突っ込む。』
『ラミエルは死ぬ気なのですか?』
今まで喋らなかったアニエルが口を開いた。
『死ぬ気はねぇ』
『ですが、そんなことをしたら死ぬに決まっているじゃないですか。』
アニエルは心配なのか説得してくる。
『俺は死なねぇし、死にたくない。だから、アニエル。お前が俺が傷付いたら癒してくれ。そうすれば俺は死なない』
『やめる気は無いんですね?』
『残念ながらな』
『分かりました』
覚悟を決めたのだろう。肯定の言葉を口にした。作戦は立てた後は実行するのみ。
まぁ、真面目に相手する訳がないが……
『我、アジ・ダハーカの力を受け継ぐ者。
我が求める力よ。我が操るは雷』
俺は言霊を使い魔力を高めた。さっきまでの天気が一変し雷雲に包まれた。すると、ヘスティアが、
『こ、これは詠唱魔法?』
と、驚いている。まぁ、普通に驚くよな。
詠唱魔法は神に本当の意味で認められないと、使えないようになっているからな。
だが、忘れてはいけない。俺が、使っているのは雷魔法で、使うのは俺一人であることを。
『稲妻よ。我が欲するは力。欲する力を我に与えたまえ。』
そう言うと俺に稲妻が、降り注いだ。体に雷が纏わりつきはじめた。そして、俺は
『サンダーエンチャントスピード』
使い慣れた魔法名を唱え
『先にいく』
と、伝え群れのある方向に向かった。すぐに群れが見えてきた。おぉ……こうしてみると圧巻だな
でかいのは、ミノタウロス40にケンタウロス60。後は、リザードマンとかオークとかの雑魚だ。
『サンダーバレットホーミングセット』
狙うはでかいやつを10体ほど
『バースト』
そして、ケンタウロス10体を殺し戦闘が始まった。