美少女勇者の俺がクソ神と再会!
馬車に揺られること1時間………
「ようこそ!ソビュエル王国城下の町へ!」
(あっ、やっぱりいるんだ「○○の町へ!」の人…)
「あなた、普段なにやってらっしゃるんですか?」
「えっ…なにといわれましても…」
(RPGには必ず出てくる「○○の町へ!」の人、毎日欠かさず昼も夜もず~と町の入り口付近を徘徊してるけど一体何をやっているのかわからない。…あっ!もしかしてニート?だとしたら超シンパシー感じるんだけど!)
「普段は結界の管理をしております。」
(なぁんだニートじゃねぇのか…?結界の管理?)
俺が疑問に思っているのを察してくれたのかダミアンが説明してくれた。
「結界というのは、魔物が町に侵入しないように張られた魔力障壁のことです。と言っても侵入を防げるのはレベル10未満の弱小モンスターだけですけどね。」
(簡易的な防衛策と言ったところか…!レベル!?やっぱりあるのかレベルの概念が!)
興奮を抑えてダミアンに問いかける
「なぁ、レベル?って何だ?」
「レベルというのは、魔物の強さの基準です。1~100までの数字で表されます。」
「へぇ~なるほど。」
「おっとそろそろ時間ですね、急ぎましょう。」
その後軽く城下町の見学をしつつ歩くこと5分……………
城に入った俺達を小太りした見るからに貴族という感じの男が迎えた。
「これは、これは勇者様よくぞいらしてくださいました。わたくしはルミエール、この城で大臣を務めておりまする。どうぞよろしく。」
そう言うとルミエールは恭しく一礼して見せた。
「あぁ、こちらこそよろしく。ルミエール大臣。」
「それでは、早速王に謁見を…」
ルミエールの案内で、謁見の間まで向かう途中屋敷で会った神経質そうな眼鏡のメイドさんが慌てて走ってきた。
「レイナ様!王様に会うのにその格好はいけません!すぐにドレスに着替えてください!」
そう言うと俺の首根っこを掴んでドレスアップルームなる部屋に連行した。
「ち、ちょっと!待ってくれ!自分で歩けるから!」
部屋に入った所でやっと解放された。
「しっかり勇者として勤めていらっしゃるようですねぇ。」
「え?」
「私の声を覚えていないのですか?」
「う~ん………………あっ!?お前あのクソ神かぁぁぁぁぁあ!!!」
「クソ神とは失礼な!少しは神を敬いなさい!」
「人のこと騙しやがって!なあにが「敬いなさい!」だぁあ!ふざけんな!お前のせいで訳のわからないこんな……こんな姿にされて!」
「貴方は自分で転移を選んだんじゃありませんか。」
「だぁかぁらぁ~俺は葛城祐太として転移したかったのに、何でよりにもよって美少女なんだよ!」
「魂は葛城祐太のままじゃないですか!」
「やっぱりそういうことかよ!いいから俺の肉体を返せぇ!」
「無理です。もう腐ってますから、先日大家さんに発見されてようやく葬儀所に運ばれたんですよ。」
「知りたくなかったわ…」
「とにかく貴方はこの世界で真の勇者になり魔王を討伐する運命なんです!そのために私が下地を整えてあげたんですから。」
「やっぱりてめえのせいかクソ神!」
「いいから早く着替えてください!」
「「生活魔法!ドレスアップ!!」」
その瞬間俺の足元に魔方陣が出現して俺の体を上に向かって通過する。きずいたときには、化粧までされて高級そうなドレスに身をつつんでいた。
「なんじゃこりゃあ!」
「その口調も直しなさい!」
「くっそ!」一体なんなんだよぉ~…………………