美少女勇者の俺が新居に引っ越し!その2
結局マリアに回復してもらい、その後は魔法に頼ることなく家具を設置していく。
「何か、魔法使わなくても思ってた以上に楽に終わりそうだなこれ…」
俺は体のサイズに不釣り合いな大きさの棚を片手で持ち上げながら言った。
「筋力も特典「身体能力向上」によって強化されていますから。そもそも魔法を使わなくても良かったんですよ。知識も無いのに魔法を行使するから、無駄な疲労を味わうことになるんですよ。まったく貴方というかたは…」
マリアは、さも当然と言った様子で皮肉をちりばめながらそう言った。
「そう言うんなら教えてくれよこの世界のことをさ、そのためにお前を連れてきたんだから。」
そう、マリアの雇用主としての権利を王様から譲ってもらったのは他でもないこの世界での俺の生き字引…つまりは先生になってもらうつもりだったからだ。
「では、さっさと終わらせましょう。」
「「生活魔法!ホームメイド!」」
一瞬にして家具がかたずいた。
(あ~あ、マリアさん俺のこと馬鹿にしといて自分だって魔法使ってんじゃん。今頃俺と同じ疲労感を味わっているはずだ(笑))
「さあ、それでは授業を始めます。」
「はぁ!何で疲れてないの!?」
「いやいや、これでも少し疲れてますよ?でも…私一応神様ですから。勇者とは比になりませんよ?残念でしたねぇ。」
するとマリアは馬鹿にしたかのように(いや、百パー俺を馬鹿にした顔で)笑みを浮かべた。
(くっそ!ムカつくなぁ!)
「まずは、魔法と聖法についてです。」
「普通に授業すんのかよ!」
俺は慌てて身近にある椅子を引き寄せ座る。
これからこの世界を理解するための授業が始まる…………