プロローグ
違う……私は……
私はっ……そんなつもりじゃ……
私は……そんな……
悲しませるつもりじゃ……ぁぁああっ!
違うの!ごめんなさい!これは!違う!ごめんなさい!ごめんなさい!お願い!違うの!ごめんなさい!置いてかないで!
ごめんなさい!ごめんなさい!ねぇ!ごめんなさい!嫌いにならないでっ!!
……あぁぁああぁぁああああっっ!!!
✿
「うぅ……」
見渡せばいつもの天井だ。
「いつ見てもモヤモヤするなぁ……」
あの真っ暗な世界。誰かが嘆いてる世界。
時々、その夢を見ることがある。
特に接点もなく既視感もない。
けど、なんでか忘れることができない。忘れちゃいけない気がする。
……思いすぎかな?
わからないけど、私はこの夢を忘れることができない。
「早く起きすぎたかなぁ……」
ふと時計を見ると午前5時をさしていた。早すぎるっ!
私は二度寝を決めた。
「……ってバカか私はっ!」
早起きは三文の得っていうじゃないか!たまには何かしてみようじゃないか!
……と意気込んでもやる事が見つからない。
「んー、ちょっと走ろうかな」
朝起きた時の定番といえば早朝ランニング。
身軽な服装に着替えて、洗面台へと向かい、洗顔や歯磨きを終え、いざダッシュ!
「んー、涼しい!こころなしか体も軽く感じるよー!」
思った以上に涼しく、体はまるで宙を浮いてるような感覚。
と、いうか、浮いてる……
太陽よ光なんかなくてまるで宇宙に放り投げられたような空間。勿論、道なんてない。
「んー……えっとぉ……」
思考が停止する私はとりあえず
「帰ろう……ってどうやって帰るんだろう?」
来た道を戻れば帰れる法則。そんなもの無かった。
そもそも道がないんだもん!
「どうするのこれぇええっ!」
思わず叫んでしまった。てへ。