転落
佐竹はリストを眺めながら
「このリストって、死亡以外のことも書いてあるよな・・・」
「転落ってなんだ?」
とつぶやいた。
召二は、苦笑いがら
「階段から落ちるんじゃないの?」
といった。
リストに書いてある「転落」・・・
これだけだと、どういうことが起こるのか正直わからない。
佐竹と、召二は顔を見合わせて
「5月20日に、あの病院へ行ってみよう・・・」
3人は当日病院に行くことにした。
召二は、佐竹と僕に
「このデータ、メールで送っておくから。」
そういいながら、パソコンを叩いていた。
「よーし、送信完了!」
召二は、くるっと振り返りざまにそう言った。
「5月20日までに、5人だけどさ・・・ほんとに死んじゃうんだろうか?」
僕は、佐竹と召二にそう語りかけた。
佐竹は
「5月7日くらいに、一度病院に確認しにいくか?」
召二は
「途中で行って、亡くなってても、俺たちにどうしようもないんじゃないのか?」
そう言って来た。
確かに、リストの人たちが亡くなったとしても、止められるわけでもなく
どうしようもないことは分かっていた。ただ、そのときはこのリストが
一体何なのか、少しでもそのことが知りたかったのだ。
結局、5月20日までは病院に足を運ぶことも無く、平凡な日が過ぎていった。
5月20日の放課後になり、佐竹と、召二は教室にやってきた。
召二が
「じゃ、病院行ってみようぜ!」
というと、後ろにいたあきらくんが、
「病院に何しにいくんだい?」
とたずねてきた。
佐竹が、リストが残っていたことと、最後の行だけ違う内容が書いていたことについて説明した。
「僕も一緒に言ってもいいかな?」
あきらくんは、そう言って来た。
召二は
「いこう、いこう。」と軽い返事で答えていた。
そして病院へは4人で向かうこととなった。
病院に到着すると、ロビーの外に人だかりが出来ていた。
「どうしたんだ?」
佐竹は、つぶやいた。
あきらくんが、指で上を指してこういった
「あっ、あそこ、人がいるよ」
見ると、病院の3階の窓の外に人が立っていた。
「自殺でもするのか?」
召二は言った。
「やばくないか・・」
佐竹が、つぶやいたのと同時くらいに、窓に立っていた人は視界から消えた。
ドスーーン。ドンッ。
鈍い音が響き渡った。
下にあった自動車の天井に落ちて、そのまま地面に転げ落ちたのだ。
白衣を着た人が数人集まってきて
「タンカーだ、タンカー」と声をかけていた。
あっという間に、落ちた人はタンカーに乗せられ、病院の奥に消えていった。
一瞬のことで、僕たち4人はしばらくその場所に釘付けになった。
「やばいもん見てしまったな。」
佐竹は、俺たちを見てそう言った。
僕は、リストの件を確認するどころじゃないと思っていた。
だが、召二は
「とりえず、リストの名前確認しよう」
とても、今の状況のすぐ後とは思えない感じで、僕たちにそう言った。
あきらくんは、
「こんなことの後だし、今度にしたほうがいいんじゃないのかな?」
そう言った。
佐竹もそれに同意して、4人は病院を後にした。
自宅に帰って母にそのことを話していると、テレビのニュースで
ちょうど、そのことが放送されはじめた。
僕は、そのニュースに出てきたテロップに、見覚えのあるものを感じた。
本日、木戸病院で飛び降りがありました・・・・
・・・・・・・・飛び降りたのは、田村 祥子さん(28際)・・・・
この名前・・・
そう、あのリストの最後あった「田村 祥子」という名前だったのだ。




