コピー
あきらくんは、この日休んでいた。
放課後、部室で佐竹と、召二があの書き込みをIPアドレスから特定できないのか?というような話をしていた。
その最中
「4月23日の昼 おじいさんが帰らぬ人になりました。」
と、新たな書き込みが画面に表示された。
3人は、いたずらなのかどうか確認するために、部活を切り上げて、病院に向かった。
やはり病院では、その書き込みのことが話題になっていた。
しかも、2つの書き込みは事実だということがそのとき確認できたのだ。
佐竹は、すぐにスマホでそのコメント関係をすべて削除した。
だが、実はそのコメントは、部室のプリンタで1枚プリントアウトしてあったのだ。
そのことは、3人とも周知のことであったが、とりあえず不特定で見ることができるホームページからは削除できたということで、安心していた。
3人は、この奇妙な書き込みのことを話しながら、病院を後にした。
結局、だれがあのコメントを書き込んだのかもわからないままに・・・。
召二は、
「部室にある、コメントのプリントは、誰かが管理したほうがいいんじゃないのか?」
と言い出した。
たしかに、たまたま2回当たっただけかもしれないが、全部が真実だとしたら、あまりにも影響が大きすぎると皆認識していたので、3人で話し合い僕が持って帰ることとなった。
召二は
「じゃ、あとはよろしく!」
といって、帰っていった。
佐竹は鍵を持っていたので、僕と一緒に部室に向かった。
学校に着くと、日が落ちていて気味の悪い校舎が目に入ってきた。
「とりあえず、部室に行くか」
佐竹はそういうと、部室に向かって歩き出した。
僕も後を追うように、佐竹を追いかけた。
部室前に着くと、部屋から明かりが漏れていた。
佐竹は小声で
「また、泥棒か?」
と、僕に話してきた。
静かに部室に近づき、中を覗いてみると
そこには、あきらくんが立っていた。
ガラガラガラガラ
佐竹は
「おい、転入生! ここで何をしてるんだ!」
少し声を荒げて、問いかけた。
そこに、睦先生がやってきた。
「あ~、パソコンの電源が入っていたから、消し方を聞いたんだが」
「え~、わからなくて、休みの彼を呼んで来てもらったんだよ」
「え~、驚かせて、悪かったな」
と、先生は話した。
しかし、佐竹はすぐにプリントアウトしたコメントがなくなっていることに気が付いた。
「ここにあったプリント。どうしたんだ?」
あきらくんに向かって、強い口調で問いかけた。
「僕が来たときには何も無かったけど」
あきらくんは、そう答えた。
「あ~、わしが見たときもなかったぞ」
先生もそう答えたので、佐竹は納得してない様子だったが、僕とその場を引き上げた。
翌日、召二に佐竹が昨日のことを納得していない様子で話していた。
すると、召二はにんまり笑って
「ちょっと、ついて来てっ!」
佐竹と僕を、体育館横まで連れて行った。
召二は、右手で内ポケットをまさぐり、1本のUSBメモリを取り出した。