初共闘
隆一
「む〜」
今俺は頭を悩ませていた。
隆一
「どう頑張っても今日で無くなるな…」
冷蔵庫の中身と手持ちのマナを見ていると本当にため息が出そうになる。
隆一
「まぁ仕方の無いことか…」
だいたい一回の買い物で約一週間分の食糧を買いだめするけれど、うちの冷蔵庫の中身はおよそ三日で尽きる。
理由は沙耶が一人で大量に食べるからだ。
そのせいか食糧の減りは尋常じゃないほど減る。
前に沙耶に「よく食べるけど太らないのか?」って聞いたら殴られた。
試合で稼いでもよくて一週間が限界だ。
それに伴い同居人が一人増えたから食糧問題は悪化した。
沙耶
「どうしたの隆一?深刻な顔で冷蔵庫を見て?」
隆一
「いやな、誰かさんのせいで食糧とマナが底を突きそうなんだよ」
沙耶
「同居人が一人増えたからね〜、それは不味いわね」
悪まで自分のせいにしたくないらしい。
隆一
「はぁ…、それじゃあ俺、ちょっくら稼いでくる」
俺は試合に出るため、コロシアムに行く準備をした。
準備と言っても制服に着替えるだけだけど。
雪
「わ、私も行きます」
制服に着替えてる途中にいきなり雪が来た。
雪
「え!?あの…ごめんなさい!!!」
顔を一気に紅くして、部屋を出ていった。
隆一
「……何だったんだろう」
着替え終わってから雪を呼んで、コロシアムに向かった。
隆一
「あのさ…」
沙耶
「何?」
雪
「何ですか?」
隆一
「歩きにくいし、かなり注目を集めているんだけど…」
右腕には沙耶、左腕には雪が抱き着いていて歩きにくかった。
あと嫉妬と悪意が込められた視線を感じていた。
雪
「ダメ…ですか?」
雪が潤んだ目で俺を見上げた。
隆一
「ぐっ…ダメ…じゃないよ」
ヤバイ、物凄く可愛い!
これでダメだと言い切る男が何処にいようか、いやいないだろう。
沙耶
「なによ隆一、羽鳥さんが良くて私がダメなわけ?」
隆一
「いやダメじゃないけど…」
沙耶
「ダメじゃないならかまわないわよね!」
隆一
「いやな、…が当たってる」
恥ずかしくて言葉が小さくなる。
沙耶
「何?何が当たってるの?」
隆一
「だから俺の腕に沙耶の…が当たってるんだよ」
沙耶
「だから何が当たってるの?」
隆一
「あーもー、沙耶の胸が俺の腕に当たってるんだよ!」
沙耶は顔を紅くしたが、俺から離れなかった。
沙耶
「わざと当てているんだから…」
沙耶は小声で何か言ったが聞き取れなかった。
雪
「む〜林さん!私ができない事をしないでください!」
雪が顔を膨らませて、怒っていた。
沙耶
「し、してないわよそんなこと!」
何故か沙耶が焦って言い返した。
雪
「む〜〜」
何故か雪がさっきより強く俺の腕に抱き着いていた。
コロシアムに着いて沙耶と雪がいきなり言い合いになった。
どうやら俺と一緒に試合に出るのがどちらかとゆうことらしい。
隆一
「もめなくても俺一人で出るから」
雪
「ダメです!」
沙耶
「ダメ!」
隆一
「なら早く決めて、じゃないと勝手に一人で行くからな」
出場できる人数は決まっているから早くしないといけなかった。
結局二人は互いに退かないので、じゃんけんで決めた。
雪
「隆一さんとやっと一つになれる〜♪」
隆一
「その言い方は違うと思うけど…」
公平なるじゃんけんの結果、今回のパートナーは雪に決まった。
隆一
「まぁ雪の装備がどうゆうのか知りたかったし、ちょうどいいか」
雪
「はい!ちゃんと扱ってくださいね」
隆一
「努力はするよ」
俺たちは試合場に出て、開始のコールを待った。
司会
「さぁ次の対戦の時間が来たぞ!両者準備はいいか?そりゃじゃあ、レディ?」
隆一&雪
「セットアップ」
クリスタルが光り、光りが収まると俺の格好は白基準にしたシャツに黒いコートを着て、手には大鎌を持っていた。
司会
「ゴー!!!」
俺は合図と共に相手に接近、大鎌を横に大振りした。
だが簡単に避けられた。
雪
『隆一さん、避けてください!』
雪の声が頭に響いた。
俺は後ろに跳んで攻撃を避けた。
隆一
「ありがとう。教えてくれて」
雪
『はい』
俺は刃を地面ぎりぎりに構えて、相手に接近した。
今度は下から切り上げて攻撃した。
攻撃は簡単に避けられたがこれはよんでいた。
俺は切り上げながらジャンプしていたから、空中で刃を回転させて向き直してから体全体を捻って鎌を縦に振った。
相手は武器を横にしてガード体制をしていたが、それでは防げない事を俺は確信していた。
相手の体に刃が刺さったのを手応えで感じた。
鎌の刃は相手の背中から刺さり、体を貫通していて、ライフは0になっていた。
隆一
「あ、そうだ雪」
寝る前に雪を呼んだ。
雪
「何ですか?」
隆一
「今日もしかしまら雪の過去を見るかもしれないけど、そこは諦めてよ」
雪
「大丈夫です。私も隆一さんの過去が見れるかもしれませんから」
雪は嬉しいのか少し笑っていた。
隆一
「そう、ならお休み」
雪
「はい。お休みなさいです」
俺は部屋に入り、そのまま眠りについた。