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20話 現状把握した

…気持ちいい夢を見ていた気がする。

ちょっと微笑んで起きた瞬間、視界に入った天井の景色が自分の部屋じゃ無い事で眠りにつく前の記憶がなだれ込んで来た。


「……非常にまずい」


何気持ちよく寝ちゃってんだよ…自分。ご飯お腹いっぱい食べて、ソファの柔らかさに撃沈してしまった……


「…ご飯が美味しすぎた」


寝る前にされるはずだった調書は何もされてないし、おまけにいつの間にかソファからベッドにランクアップしてる……


「…何時だろう?」


窓から見える外の景色はすでに陽が沈んでいるようで藍色の世界が広がっている。多分ここに来たのが昼過ぎだったから少なくとも3時間ぐらいは寝てしまってる。


「すっきりした……なぁ」


すっきりしたのはいいけれど…さてどうやってこの状況を挽回すればいいのか……怪しい人間のまま寝てしまうなんて言語道断だ。最悪な状況だけどポジティブに考えるとこうやって一人で考える時間を貰えたのは怒涛の一日をまとめるのにはいいかもしれない。


「…まずこの世界に来た事だけど」


これは…信頼してもらえるわけがないというか、まだ自分がよくわかってない事象なので隠すというか……説明出来る気がしない。


「…今は秘匿で」


次にこの世界に来た時の……部屋?の事は抹消したい……あれはダメだ。不法侵入だし、何か偉い人っぽかったし、殺されかけたし……


「……秘匿で」


その後に飛ばされた森は……魔性の鳥がいて……鹿が喋って……目から火が出て(あくまで感覚だけど…)髮が真っ赤になった。その後気持ち良い温泉みたいなのに浸かって、飛んだらシャボン玉に乗ってた。


「…そもそも鹿が喋れるとか普通じゃないでしょ?魔性の鳥とか……コワイし…」


秘匿案件しか抱えてませんけどーーーーーーー!!!

思わず上掛けに潜りこんで頭を抱えてしまった自分は悪くないと思う。なんだ……もう存在してすみません状態な自分をどう扱えばいいのか…


唯一まともに喋れるのって……シャボン玉のくだりだけじゃん!それもすでにメルフォスさんに見られてるからで……


……しかしこの布団は気持ちいい。


…しばらく現実逃避させて下さい。

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