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17話 忘れてたわ


「……あんた?」


恐ろしい形相で受付の奥から出てきた女の人?は髮が短髪というか刈り上げている………女の人?…うん、何度も疑問系になっちゃうような人なんですよ。怖すぎて涙一気にひっこんだ。


「あぁマイハニーただいま」


やっぱりメルフォス嫁なのかーーーー!しかもマイハニーとかこっちが聞いててハズカシいんですけどっ!!どう見ても男女の立場が逆転してそうな夫婦なんだけど……それはそれで上手くいくのかもしれない……神秘だ。


「そんな事より、あんた!!お客様を泣かせてたんじゃないだろうねっ!」

「あぁ…違うよ。彼女はお客じゃなくて、『保護』対象なんだ」


なんだか含みのある『保護』だったけど、今のあたしにはそれを覆す手段も立場も無い。でもきっとこの夫婦はいい人達だと思う…うん、あたしも自分の直感を信じてみる。


「……なんだい仕事なのかい」

「うーん。それはまだ彼女から話を聞いてないからなんとも…」

「なら…今日はDの間が空いてるよ。使いな」

「ありがとう助かるよ。じゃあアサ行こうか」


二人の間で話がついたらしく、メルフォスさんがあたしを奥へと促す。


ぐぎゅるるるるぅぅぅぎゅる。


違う……断じて違う…あたしの腹じゃない。


『………ふんっ』

「………」

『あたしだってお腹ぐらい空くわっ』


そんなに力説されてもどうしたものやら……幽霊はお腹が空くものなのか……というか今の今まですっかり幼女の存在を忘れてたんだけど……


「やっぱり他の人には見えてないんだよね…やっぱ幽霊…」

『失礼ねっ!!浄化されない魂なんかと一緒にしないでちょうだいっ!!人に見えなくて当然でしょあたしは精霊だものっ!!』

「……せいれい」


あたしの中の精霊といえば……やっぱり生涯子供の緑色の男の子の話が浮かんでくるけど………あ、あれは妖精か……


「妖精と精霊の違いって……」

『妖精と一緒にされるなんて不愉快だわーーーーーーっ!!』


…きーん。耳元で大声で叫ばれて耳鳴りがつらい……一緒になんてしてないし、ちょっと聞いただけじゃん。


「アサ!?どうした?」

「いえ……ちょっと……」


うん…このままじゃこの自称精霊の生命体説明が出来ない……あ!いい事思いついた


「はいはいちょっと失礼しますね」


お化けじゃないのなら……怖くはない。ただ触れるか心配だったけどそれも杞憂に終わりあたしは自称精霊の手を握る事が出来た。


『な、何よ…』

「…触れる対象…開眼せよ…ダイアグノーシス」


ピコン


*********


名前:フォーリ=ララル

属性:テラ

年齢:126歳

HP:926/2300

MP:320/764

状態:空腹


概要:ライザのお宿大黒柱の精霊。テラ属性第4種に属す。


詳細を表示しますか?  yes/no


*********


「おぉ…出た」

『わぁ~、あたしを鑑定出来るなんて、やっぱり貴方よっぽど力が強いのね~』


……精霊の言い方だと、普通はこの精霊のステータスは見ることが出来ないみたいなんだけど……やっぱこれも地雷なのか……


「アサ?さっきからどうしたんだ?うちの柱に何か気になる事でもあるのかい?」


……目の前にその柱の精霊がいるって言えたらどんなにいいか。


「えっと……素晴らしく立派な柱だなぁって思って」

『もっと褒めていいのよっ!!』


…精霊とは角も単純な生き物らしい。とにかく…これまでも特異体質を存分に披露してしまった身としてはこれ以上の超常現象はいらないです。


「あの……立派な木なので……お祈りしてもいいでしょうか?」

「え?…あ、別に構わないけど……」


祈るフリして精霊に大人しくしていてもらうように頼もう。

あたしは大黒柱にむかって拍手を大きく打つと、精霊に向かってこっそり話しかけた。


「フォーリさん?後で一人になった時にお話聞きますので……今は見逃してください」

『はぅぅぅぅん』


……返事がエロい。


『何これ!すごい美味しい力!!満腹だわ!』


……何食った??

うん…進まない…ごめんなさい><

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