16話 嬉しい気持ち
すみません。先週は忙しくて更新できませんでした。
鑑定出来ちゃったよ…適当に言った厨二病が思いっきり発動してしまうとか……この世界恐ろしいんですけど。
「アサ?…今のは?」
「……あのぉ」
ふむ…この鑑定結果の画面はあたし以外には見えてないようである。…レアらしい鑑定の魔式を使える事による弊害があったり……したとしても今のあたしはどうこう出来る立場でもないし……ここは正直に言ってみるしかないか…
「あたしも初めて使ったんですけど……この椅子壊れかけてますね」
「「え?」」
え?そんなに驚かれても…しかも受付の女の子まで……
「……どのくらいで壊れるかはわかりませんけど、早急に修理するか処分した方がいいと思いますよ?」
ほら、客商売で椅子が壊れてお客さんに怪我とかさせたらやばいだろうしね
「「処分!?」」
…処分はまずかったみたいだ。
「耐久が300に対して15しか無いので……どのくらい持つんでしょうね?」
「ミレーヌ!!早く木工師のティムに連絡だっ!!」
「お父さんわかったわっ!!」
メルフォスさんの事をお父さんと言った受付の女の子はミレーヌと言うらしい……そしてミレーヌちゃんはあたし達が入ってきた入口から外へと駈けてった。…たぶん木工師とやらのとこに行ったのだと思われるけど…
「娘……」
宿の受付が出来るぐらいの大きな娘がいるとは……メルフォスさんっていくつなのか……謎すぎる。
「あぁ…紹介もしないですまないね。あれはうちの娘でミレーヌと言うんだ。いやぁ、アサが椅子を鑑定してくれてよかったよ……この椅子はうちの妻の大のお気に入りなんだ。この椅子が壊れたりしたら……」
うん、メルフォスさんの顔色がどんどん青くなってく……これはやばい出来事だとわかる。
「それにしても耐久力までわかるなんて……アサの鑑定力は素晴らしいね」
…うん、やっちまった感。厨二病の発動にはほんとに気をつけないといけないらしい…
「えっと……もしかしたら間違ってるかもしれませんし……その時はすみません」
「いやいや、きちんと魔式が発動してるよ」
「?」
ん?もしかしてこの鑑定の画面が見えてるんだろうか?
「えっと……鑑定結果がみえてるんでしょうか?」
「あぁ…そうじゃないんだ。魔式使いはね、力が使用されると何となくその力というか種類がわかるんだ。今のアサのような四大力以外の力はギフト以外にないからね」
…また新しい単語が出てきたよ。『ギフト』っていうぐらいだから贈り物って事なんだろうけど……贈り物が鑑定力って………どうしろっていうの?
「明確に鑑定の魔式を使用したとはわからなくても、何かの力を使った事はわかったんだ」
「…なるほど」
「鑑定結果の内容は……アサを信用してもいいかな?と思った僕の判断だけどね」
「メルフォスさん……」
こんな身元不明のわけのわからない女を信用してくれるなんて……なんていい人なんだ。
「うぅ……あ、ありがとうございます」
この世界に来て初めて嬉しいって思った。
…人に信頼されるってこんなにも嬉しい事だったんだ。涙が次から次へと溢れて止まらない。
だっていきなりこんな世界に飛ばされて……殺されかけるし……鹿はしゃべるし…目は爆発しそうだったし……こんなに普通に会話してくれる人がいるなんて思わなかった。
「ありがとう……」
「あんたっ!!!何女の子泣かしてんだいっっっ!!!!!」
ずびび………また強烈なキャラな人が登場してきた……。




