群赤
掲載日:2026/02/07
青が翻って
蛹を誘った
夕が微笑んで語りかける
暗い魂が飽和しているから
どこからか犬の遠吠えがする
どこからか猫の悲鳴がする
世界がミルキーウェイ
まるでまやかしのよう
今を生きる人たちは
少ない中で生きている
残酷な雪原が全てを覆い隠すみたい
迷った目が空を濁した
今にも掴めそうな雲
何かが囁いている
何かが叫んでいる
一向に凪が来ず
一時も嵐が止まない
ここから飛び降りられればいい
そんな単純な話だったらどれ程楽か
視界を埋め尽くす
赤 赤 赤
青が去っていた
稜線の果てへ消えてゆく
空は赤に染まって
どこまでも暗くなる
忙しく犬が慄き
涙 溶かす
立ち止まった足跡が風化しかける
重力に押しつぶされる
惑いは宙に浮いている
そのまま翻って
やがて黒となる
犬の姿をした闇がこちらを見つめた




